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本誌編集部◎村上敬洋
掲載号: 2009年8月1日号
仕事は後回し シマアジを夢見て急行
「シマアジが食い始めたぞ。来るなら今だ!」
伊豆諸島新島.植長丸の植松寿明船長からそんな連絡を受けたのは6月18日の夕方。
出船からわずか数時間でシマアジがバタバタとアタり、1.6〜2.3キロが船中17尾も上がったと電話口の船長は興奮気味。
並みの釣れっぷりでは動じない船長がわざわざ電話をよこすのだから、きっとトンデモナイことになっているはず。
編集作業は大詰めで仕事も山積みだけど、このチャンスを逃したらきっと後悔するだろうなあ……。
「仕事は逃げないけど、魚は逃げる!」
会社を抜け出し、南伊豆下田港へ向かったのは電話から2日後の6月20日。
午前2時に漁協前に到着すると、まもなく煌々と明かりを灯した植長丸がやってきた。
植松寿明船長とはおよそ1年ぶりの再会。あいさつもそこそこに荷物を積み込む。
この日は渡部隆雄さん、黒田幹雄さん&和浩さん兄弟、高橋均さん、島田佳和さん、佐藤昌克さん、長山明博さんの率いる7名グループの釣り会で、そこに私が便乗させていただく。
聞けば皆さん凄腕らしく、幹事の渡部さんはかつて某釣り具メーカーのテスターを務めたことがあると言う。黒田兄弟のお兄さんの幹雄さんも、過去に某釣り誌のライターをしていたベテラン釣り師だ。
準備が終わったところで船は下田港を後にした。新島までの航程は2時間弱。
「ちょっとそこまで……」といった具合のお手軽な遠征だ。
キャビン内のベッドでしばらくウトウトしていると、エンジン音が急に静かになった。
「着いたよ〜! 準備準備!」
そんな黒田兄さんの大声でキャビンから這い出ると、船はすでに若郷港内の岸壁に横着けにされていた。エサを積み込み、釣りの準備を終えると、おかみの文恵さんに見送られて再び沖へと向かう。
港から20分ほど走って到着したのは水深25メートル前後。岩礁帯ギリギリに船を寄せると、5時ちょうどに投入の合図が出た。
Page1 仕事は後回し シマアジを夢見て急行
Page2 朝イチから本命が出現 こりゃあ凄いぞ!
Page3 怒とうのラッシュこれを待っていた!
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