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本誌APC(東京)◎鈴木良和
掲載号: 2009年1月1日号
釣りの神様が微笑んだ!?
軟調竿を絞り込む強い引き。いやー、たまりません
イナダはどれも丸まると太っていた
ところがここで悲劇に見舞われたのは女性アングラーの野木さん。せっかく掛けたイナダもハリス切れでバラしてばかり。
「大丈夫。また掛けるから!」と前向きな彼女。けれどよくよくハリスを見てみると、ほかの釣り人に比べて極端に細い。聞けば2.5号だというではないか。
マダイ狙いならともかく、50センチ前後のイナダ相手に2.5号というのはいかがなものか。あの激しい突っ込みを2.5号で交わすには、相当慎重にヤリトリしなくてはならない。お客さんも多いことだし、すぐにハリスを4号に交換させた。
このころになると風もすっかり収まったが、残念なことに食いまで落ち着いてしまった。悪いことに潮も極端に澄んできて、今までいなかったエサ取りの活性も高くなった。
「ちょっとタナを上げてください」という船長の指示でハリス分プラス2メートルで待っていたところ、左のミヨシでダブルヒットした。
横走りせず、下へ下へと突っ込むこの動き。おそらくマダイだろう。ところが予想は外れ、2人ともホウボウを取り込んだ。
それからはイナダやカイワリがポツポツ上がる展開が続き、いよいよ残り1時間。
「あーあ。初めのハリス切れが痛かったなあ……」
船中で唯一型を見ていない野木さんがため息を漏らす。
そんな彼女を哀れんだ釣りの神様でもいたのだろうか。ようやく彼女の仕掛けにもイナダが食い付いた。
「やっと釣れたよ!」という野木さんの弾んだ声に、自然と船内あちこちから拍手が起こる。さらに彼女はイナダを連釣し、14時の沖揚がりを迎えた。
当日はイナダが各自3〜6本、マダイが0〜1枚と低調に終わったが、次の日はマダイが1〜5枚、イナダが各自10本以上と復調している。年内一杯はイナダとマダイの両方で楽しめそうだ。
[大松丸]鈴木茂明船長
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