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本誌APC(東京)◎鈴木良和
掲載号: 2009年1月1日号
働く私への贈り物?
マダイとイナダをゲットして、今年の釣りをにぎやかに締めくくろう
私の場合は幸運でした(笑)
今年も残りわずか。すでに年末年始の釣行計画を立てている人も多いことだろう。
正月といえばやっぱりマダイ。おめでたい席には欠かせない魚である。もし自分で釣ったマダイで新年を祝うことができれば、釣り人冥利に尽きるというものだ。
11月30日。釣り仲間2人を誘い、年末釣行のリハーサルとして向かったのは三浦半島剣崎松輪港の大松丸。11月後半から1キロ前後のマダイがトップで5〜6枚、そこに丸まると太ったイナダが10数本交じるといった釣れっぷりが続いており、お土産確保はまず確実といった状況だ。
船宿の待合室に到着すると、10数名の釣り人がテレビの天気予報を食い入るように見つめていた。朝6時の時点で大島の風速は西風19メートル。最悪のコンディションといっていい。
「風は次第に収まって北風に変わりそうだけど、港で船長たちが集まって会議をしているから、もうしばらく待っていてね」とおかみさん。
しばらく待機しているうちに風は弱まり、定刻から1時間遅れの8時に18名を乗せて出船となった。
現在狙っている釣り場は下浦沖。西風に強いポイントとはいうものの、まだそれなりの強さで吹いている。山頂に雪帽子をかぶった富士もくっきりと見えた。
「いいですよ。ハリスは3〜4号、水深は55メートル。タナは底からハリス分です」
そんな合図で実釣開始。いったんビシを着底させたら、糸フケを取り3回くらいに分けてコマセを振りつつ指示ダナまで仕掛けを巻き上げアタリを待つ。
「さあ、いつでもいらっしゃい!」
竿先が海面に突き刺さるのを待ち構えた私だったが、愛竿には何の変化も現れない。結局1流し目は船中アタリなしで移動となる。
「あれほどいたイナダも、2日間海が荒れたらどっかへ行ってしまったよ。昨日はサッパリだったしな〜」と船長も頭をかくばかり。
ところが次の流しでは私の反対側の左舷で竿が入った。
取り込んだのは体長50センチ近い立派なイナダ。そして次に魚のシグナルをとらえたのは、なんと私の置き竿だ。
「鈴木さん。アタってるよ!」という木村くんの声で慌てて席に戻りバトルを開始。チリチリとドラグのクリック音が響き、道糸が引き出されていく。魚の動きが止まったときにハンドルを巻く。
手に汗握るヤリトリを続けているうちに白い魚が円を描きながら現れた。
タモに収まったのはデップリと太ったイナダ。メジャーを当てると45センチ。見るからに脂が乗っておいしそう。
「おーい。こっちでもアタったよ〜!」
そんな声があちこちからかかり、船の上を撮影に奔走する。釣れたイナダは40〜50センチサイズ。さすがにこの大きさともなればヤリトリも楽しそうだ。
「ハイ、移動します!」という船長のアナウンスで自席に戻り、1度大きく竿を誘い上げたそのとき、ギューンと私の竿が絞り込まれた。
「あれ、オマツリかな?」
オマツリならこのあと軽くなるけれど、軽くなるどころかグイグイと下に引き込むではないか。
これはおそらく魚だろう。でも移動の合図も出たことだし、少々強引に巻き取ることにした。
てっきりイナダだと思い込んでいたが、タモを出してくれた木村くんが、
「マダイだあ!」と叫んでびっくり。それは1.5キロ。ガンガン巻き上げてしまっただけに、あまり釣ったという実感が湧かない。
「マダイだと分かっていたらもっとヤリトリを楽しめばよかったかな?」と思いつつ次の投入合図を待つ。
すると次の流しも好調。良型のイナダは相変わらす活発な食いを見せ、そこに美しいマダイが交じる。
Page1 働く私への贈り物?
Page2 釣りの神様が微笑んだ!?
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