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本誌編集長◎沖藤武彦
掲載号: 2009年2月15日号
朝イチに感じた可能性 !?
Y字の竿掛けを使うと一手目を取りに行きやすい。
中オモリをつかみ上げながら竿を置き、あとはズンズンたぐるべし!
朝イチはサバにつかまるから少しゆっくり出てちょうどいいぐらいだよね、なんて言いながら布良港の「とよ丸」の船上で30分ほど西風が弱まるのを待ってから出船した1月17日の布良沖。135メートルと浅めの場所での1投目、意外にも仕掛けはスルスルと抵抗なく落ちていき、糸フケを取ってヨイショと竿を起こした人から順に巻き上げに移る。
サバはおらず、海底近くにはヤリイカが群れていた。
船上の14人中13人がヤリイカを取り込む。同行のバスプロ.茂手木祥吾(もてぎしょうご)さんはほとんど未経験なので仕掛けの扱い方が不安だと言っていたが、迷っているヒマもなく2杯のヤリイカをたぐり込んだ。初挑戦の島澤(しまざわ)美帆さんには村上が二人羽織よろしく教えているのだが、彼がシャクリの手本を示そうと竿を持つとすでに乗っている。「直結はサバが多いときはいいけっど、今日はいないよお」
御年71歳の豊崎利夫船長が右胴の間、私の頭上にある操舵室の窓から顔を出して言う。そう。私の今回の目的は直結仕掛けで釣ること。波が高くてもウネリがあっても直結仕掛けで釣ってみることだ。
西風は弱まったとはいえ波高は2メートル近い。以前なら直結じゃ無理かな、と尻込みした海況だが、バラシ覚悟でやってみると1投目で3杯、2投目で1杯と、意外にも簡単に取り込めてしまった。
実は今回、ウネリ対策としてダブルカンナのプラヅノで直結仕掛け(ツノ数8本、幹糸8号)を作ってみた。最初はマグレかと思ったが、その後も快調に乗り、ウネリの中でも確実に取り込める。果たしてこれはダブルカンナの効果なのか、知らぬ間に私の手さばきが上達したからなのか定かではないが、とにかく、使った感じはいい。
30分ほど流して乗りが遠のくと潮回りして再び135メートルダチから流し直す。すると再びヤリイカが乗ってくる。「ヤリイカ面白いですね!」
茂手木さんはヤリイカを乗せてはたぐり込んで仕掛けを絡め、ほぐしては投入して乗せて、を繰り返している。島澤さんに教えている村上も我慢できなくなったか、気が付くとイカをぶら下げている。
9時を過ぎると内房からもイカ乗合が集結し、周囲はかなりにぎやかになった。船内を見て回ると多い人で12〜13杯ほどか。型は小ぶりが目立つ。「いつもやっている場所(175メートルダチ周辺)は型がいいんだけっど、潮が悪くてさ、そんでみんなこっち(135メートルダチ付近)やってんの。こっちは型がちいせえんだよね」
胴長40センチ近い大型も時折乗るが、平均すれば胴長20センチ台。ときにはそれ以下の小型も釣れてくる。
Page1 朝イチに感じた可能性 !?
Page2 房総方面での直結の弱点?
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。