Check
本誌編集部/村上敬洋
掲載号: 2011年1月1日号
高めのタナ取りがカギ
ヒラメのほか、イナダも顔を出した
日が高くなった10 時過ぎ、「あ〜あ、完全に潮が止まっちゃいましたよ!」と、船長は残念そうに声を上げた。
潮ばかりか、先ほどまでそよそよと吹いていた風も止んでしまったようで、船長はエンジンを使って前進させたり、サイドスラスターを使ったりと四苦八苦しながら船を流している。
こんな状況になるとヒラメの食いも止まるものだが、そこは年に一度の解禁日。相変わらずポツポツとアタってヒラメの枚数は増えていく。
そんな中、とくによく釣っていたのが右ミヨシ2番の釣り人。船中最大となる5.5キロを含み、すでに5枚のヒラメを手にしていた。
私はもちろん周囲の皆さんも、どうしてこの方だけによくアタるのかを不思議がっていたが、なかなか釣り方を教えてくれなかった。
仕掛けは船宿仕掛けとほとんど同じ。これといった集魚グッズを付けているわけでもない。
残り30分となったところで、こっそり釣り方を尋ねてみたところ、「朝のうちはオモリを底から1〜1.5メートル上げていたんですよ。活性が高いときは高めにタナを取ったほうが、私の経験上アタリが多いんでね。日が高くなって食いが渋くなってからは底トントンに切り替えました」とのこと。
そうか……高めのタナがよかったのか。ここで思い出したのは朝の船長の言葉。盛んに高めにタナを取ってと言っていたが、私は過去の成功例が忘れられず、この日も底トントンにこだわっていた。そのせいか周りがバタバタとアタっている場面で、私だけが取り残されたことも1度や2度ではなかったっけ。
釣り終了のホイッスルが吹かれたのは12時過ぎ。トップは前出の右ミヨシ2番氏で6枚、次頭が4枚で2名。船中合計は33枚でボウズなしという、解禁日らしい好釣果で初日を締めくくることができた。この好調は年内はもちろん年明けも続く見込み。このチャンスを逃す手はない!
[第一東海丸]右から北條 晃船長、娘の弥生さん
Page1 開始直後からアタリ連発
Page2高めのタナ取りがカギ
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。