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本誌APC(東京)/鈴木良和
掲載号: 2011年12月1日号
うれしい外道が次つぎと
好調のスミイカを釣ろうと10月29日に訪れたのは三浦半島浦賀港のみのる丸。
スミイカの釣り方は生きたシャコをエサにしたテンヤ釣りと餌木があるが、この時期のみのる丸ではどちらの釣り方でも乗船できる。当日はどちらかというとテンヤで狙う方が多かったようだ。
「鈴木さんはどっちでやるのかい?」と斉藤信良船長に尋ねられたので、
「テンヤでお願いします」と答えたが、
「申し訳ないけど生きシャコの入荷は明後日からなんです」と冷凍のシャコを手渡された。
どちらでもあまり乗りの差はないとのことだが、スミイカはシャコの目の光を狙うと聞いたことがあったので、目玉がしっかり付いたシャコを選んでテンヤに固定した。
7時20分に10名を乗せて出船。10人中8人がテンヤ釣り、残り2人が餌木で楽しむようだ。
到着したのは大貫沖の18メートルライン。すぐに開始の合図が出た。
最初にアタリをとらえたのは右トモ2番で餌木をシャクっていた釣友の森くん。振り上げたゲームロッドが大きく弧を描いた。私が差し出すタモに収まったのは500グラムのアオリイカ。
「初めてアオリを釣りました!」と興奮冷めやらない森くん。しかし、
「タナが高すぎるんじゃないの?
今日はスミイカ釣りだよ。アオリは外道だからね」と悔しまぎれに悪態をつく私であった。
直後に左ミヨシ2番目の宮内さんにもグッと竿を止められるような手応えが伝わった。かなり重そうだったので大型かと期待が膨らんだが、釣り上げたのは30センチオーバーのカワハギ。
照れくさそうに頭をかく宮内さんであったが、これもうれしいゲストであることには変わりはない。
次にヒットしたのは左ミヨシの藤田さん。こちらも600グラムのアオリイカ。
うれしい外道が次つぎに姿を見せるものの、肝心のスミイカは乗ってこない。そこで船は15分ほど北上して、第2ラウンドとなる。
すぐに船中あちこちで竿が曲がったが、どれも定番ゲストのシリヤケイカであった。
シリヤケイカはスミイカに姿は似ているが、体表に星状の白い斑点があり、体から赤茶けた液体を出すので判別は容易だ。
そしてこのポイントで最初にスミイカを釣り上げたのは右ミヨシの鈴木さん。300グラムほどとまだ小ぶりではあったが、本命の姿を見て全員にやる気がみなぎる。
「このイカはどっちですか?」と私にイカを差し出す森くん。
「これがスミイカだよ」と答えるとニッコリ。
「3種のイカが釣れたので、食べ比べが楽しみですよ!」
彼の心はすでに夕飯に向いているようだ。
ところがここで厄介者が登場。水温も高いせいかサバフグが頻繁にいたずらしてくるのだ。そのためエサのシャコはすぐにボロボロにされてしまう。
Page1 うれしい外道が次つぎと
Page2 サバフグに負けない!
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