Check
本誌APC(千葉)/宇田川 亘
掲載号: 2011年9月1日号
「ガタガタ」の連続!
皆さんもカマスの入れ食いを楽しんでください!
内房金谷のカマスは夏しか釣ることのできない期間限定のターゲット。美味で知られる魚で、干物などはそれなりの高値で取引されている。
そんなうまい魚を刺身や天ぷらなどで味わえるのは釣り人ならではの特権だ。
ただし釣期は短く、毎年7月上旬からアジとのリレーでスタートするが、ひと月も持たずして終了するのが常。
今シーズンの釣れ始めは金谷の夏祭りが終わった26日。この日、私は偶然にも当日プライベート釣行して好釣果に遭遇。さっそく編集部に電話をしてみたところ、すぐに取材してくださいという話になり、翌27日に再び金谷港を訪れることにした。
お世話になったのはアジ釣りにこだわる船宿として知られる金谷港の勘次郎丸。
この日は平日だったが、カマスが釣れ出したと聞きつけて12名が集まった。左舷ミヨシの田中氏もその1人。
「昨日好調と聞いて飛んできました!」とニッコリ。
私は空いていた右舷ミヨシに座って準備をした。
最近はショートロッドを使う人も多いが、カマスの竿は全長2.7メートル以上の先調子竿が有利。それはカマス用の胴つき7本バリのフラッシャー仕掛けが全長3メートルを超えているため。
コマセを使わず、イカ釣りのように反応を追いかけて釣る上に短時間勝負のため、スムーズな手返しが釣果を分ける。短い竿では手前マツリしやすく、釣る時間をロスしてしまう可能性があるのだ。
出船は5時。カマスは早朝エサを追って浅場を回遊し、陽が昇ってしばらくすると釣れなくなるので、通常のアジ乗合よりも1時間早い。
佐藤昭一船長の舵取りで港を離れるとすぐに船は速度を落とした。釣り場は金谷港の目と鼻の先。船長はすぐに反応を探して投入合図を出す。
水深10メートル前後の岩礁地帯で、オモリが底に着いたら根掛かりしないように素早く底を切ってアタリを待ち、時どき大きく竿をあおってから底までオモリを落とす誘いを入れてやるといい。
アタリは仕掛けを落とした直後や、落ちていく途中でガタガタと竿先をたたかれるのですぐに分かる。
サビキ仕掛けは1度にたくさんの魚を掛けられるが、カマスは歯が鋭いので追い食いを狙って待ちすぎるとハリスを噛み切られてしまうのだ。
この日も釣り開始から船中で竿がたたかれ、全長25〜30センチのカマスが釣れ出した。今年の特徴として、地元でホンカマスと呼ばれるアカカマスが多いことがあげられる。前日私が釣った47本のうち、ミズカマスと呼ばれる小型のヤマトカマスはたったの2本。アカカマスの大型は36センチもあったのだ。
このアカカマスが船中でバタバタと釣れ出し、近くを流す他船でも次から次へと取り込まれている。
「昨日の常連さんから、カマスの刺身はうまいと言われたから……」とミヨシの突き出しで竿を出す船長は、抜群の手返しでカマスを取り込む。
前出の田中氏も20本を超え、前日同船したベテランの田村氏も絶好調。
「宇田川さん、釣る時間がなくなるよ!」と船長に言われて竿を出してみると、オモリ着底後にガタガタと竿先が揺れて33センチをゲット。その後巻き上げが止められるほどの重い強い引きが続いて2点掛け、3点掛けと数がのびていった。
Page1 「ガタガタ」の連続!
Page2 アジはどこへいった?
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。