時計を見れば11時。私もぼちぼち竿を出すことにした。
　船宿から借りた道具を使ってみたところ、道糸が細いためか糸フケが少なく、底ダチを取るのも楽らく。
　コマセを振って、ハンドルを1度巻いたところで待っているとすぐにアタった。それは全長20センチの幅広なアジ。
　次の投入でもすぐにアタって同級を釣り上げた。
　今までライトアジは何度か経験したが、今日の超ライトの楽しさは断トツ。出船前に、
　「この釣りの面白さにハマる人は多いんだよ！」と船長が言っていたが、納得。私もハマりそうだ。
　アジがハリ掛かりする前の、ちょうどエサを口に入れているようなコツ、コツ……という前触れのような違和感までが明確に伝わってくるのも超ライトならでは。もちろんその後のキューンとくる引きも格別。オモリが軽いためか、20センチのアジの動きが手に取るように分かる。
　とにかくハリ掛かりから取り込みまで、ハラハラドキドキの連続。これが超ライトゲームのだいご味なのか！
　その後も仕掛けを入れるたびに必ずといっていいほどアタリが出るのだが、気をつけねばならないのはアタリが明確に出るあまり、大きく合わせてしまいスッポ抜けること。
　船長によると合わせはとくに必要なく、竿の反発力で十分にハリ掛かりするそうだ。食いが渋いときは、逆に前触れのようなアタリがきたところで送り込むぐらいの気持ちでいたほうがいいらしい。
　このほか注意点としては、狭い層にアジを集めて釣るため、しっかりとタナを取ることが大切。状況によってはわずか10センチ違っただけで極端に釣果が落ちてしまうこともあるという。
　結局私は2時間半ぐらいで25尾のアジを釣ったので、これで十分と沖揚がり30分前の13時半に竿を置いたのだが、トップは15〜23センチのアジを50尾釣った釣友の吉長くんであった。
　超ライトアジの出船は10月末まで。皆さんもぜひ1度チャレンジしてみてください。たぶんハマります。

［田中屋］高橋瑞佳船長