Check
フィッシングライター◎朝倉 真
掲載号: 2010年9月1日号
前半の不調がウソのよう
こんなサイズが多かったが、指4本幅の良型も交じる
こうして常連氏は3投連続でタチウオを釣り上げたが、ほかの2名は、アタリらしき感触こそあるもののハリ掛かりには至らない。
隣同士で竿を出していても、このように差が付いてしまうのがタチウオ。ちょっとした誘いの強弱やスピードなどで釣れる釣れないの明暗がくっきりと分かれてしまう。もっともこれが面白くもあり、悩ましいところなのだが。
しばらくして常連氏もアタリが遠のいたので、船を流し変えることになった。今度の指示ダナは海面下20〜40メートル。さっそくアタった。
「コツッ」
「コンコン」
「モゾッモゾッ」
各自の竿先に様ざまな感触が伝わってきた。そんなときに左トモのベテラン氏にヒットした。聞けばここでも指示ダナの下限(40メートル)でモゾモゾときて、そのまま10メートルほど上へ誘い上げたところでハリ掛かりしたのだそう。
しばらく氏のヤリトリを眺めていたのだが、ちょうどその時、右舷の常連氏も連続ヒットさせていた。見れば船宿常備のサバ以外にキビナゴ、ワカサギといった特エサも使っていた。
「せっかくアタリが出ても、誘っている途中で魚がエサを放しちゃう。今日のタチウオは消極的だよ。こんなときは色いろなエサを試すのも手だね。それと釣りたてのサバをエサにするのもいいね」とのこと。
それにしてもこの方、エサ付けから仕掛け投入、誘いから合わせまでが実にスムーズ。よく釣れるのも当然だろう。
さて、1人出遅れて苦戦を強いられていた右トモ氏だったが、交じりで釣れたサバをタンザク状にカットしてエサにしたところ、すぐにアタリがきた。アタったのは海面下30メートル付近で、1〜2回モゾモゾきたあとに聞き上げてみたらうまくハリ掛かりしたという。
うれしい初ヒットのあとは前半の不調がウソのよう。サバエサの効果も手伝ってか、このあと入れ食いに近い状態となる。
Page1 まるで梅雨のような天気
Page2前半の不調がウソのよう
Page3 入れ食いモード突入も…
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。