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本誌APC(埼玉)◎釜井昌二
掲載号: 2009年8月15日号
直結の有位性
麦わら帽子とスルメイカ。いいですねえ、夏の最強コラボです!
乗りが渋くても諦めずにシャクリましょう!
7月14日。関東甲信越地方が例年よりも5日早く梅雨明けとなった。
雲一つない青空、そしてベタナギに恵まれたこの日、私は釣り仲間の福島さんとともにイカ釣りのメッカ、三浦半島長井新宿港の辰丸を訪れた。ターゲットはもちろんスルメイカだ。
さて日中のスルメイカ釣りといえば、船上干しを楽しみにしている人も多いはず。もちろん私もその1人。ベッコウ色に干し上がったイカを軽くあぶり、冷酒をグビッ。
ああ……これが至福の時ってヤツなのでしょうなあ。
そんな好天に誘われて集まったのは我われのほか15名のイカオヤジたち。
各自準備を整えて6時前に出船、江ノ島沖に向かってひた走る。
およそ30分ほどでポイントに到着。すでに20隻近いイカ船が旋回しており、早ばやとイカを取り込む姿も散見された。よ〜し今日も乗せるぞ!
前進していた船が、不意にゴゴゴゴッと後進した。
「水深は115メートル。反応は海面下70〜100メートルに出ています」
船長のアナウンスに、一斉にオモリを投げ入れた。ところがイカの乗りはなく、すぐに移動となる。
しばらく探索した後の2流し目。今度は船中数名がイカの乗りをキャッチしたようだ。いずれも単発ながら胴長20センチほどのニセイカ級がプシュプシューと潮を吹き上げながら海面を割った。
どうやら船長はいい反応を探り当てたらしく、直後の投入でも乗せた人が多数。右ミヨシ4番のベテラン氏は3杯掛けを達成した。
しばらく流して反応が途切れると、再び群れの探索となった。
「一昨日(前日はシケでお休み)は、反応もよくて多点掛けがあったけど、今日はイカの反応があっても足が早くてすぐに乗らなくなっちゃうよ」と、魚探の画面を眺めつつ船長はつぶやく。
それでも3流し目、4流し目と着実にイカは取り込まれていく。
「スルメイカは今日が初めてなんです」と、ブランコ仕掛けで懸命にシャクっていた方が3杯掛けを達成、うれしそうにイカを干していた。
一方、同行の福島さんの直結仕掛けにも乗りが訪れた。始めは動作もぎこちなかった福島さんだが、
「仕掛けさばきに慣れると、直結のほうが面白いかも」と、熱心に電動シャクリを繰り返していた。
さて、船上を見渡すと当日は直結仕掛けとブランコ仕掛けの比率は7:3といったところ。ここで船長に直結仕掛けとブランコ仕掛けについて尋ねてみた。
「ここ最近はサバも少ないから、ブランコ仕掛けでも十分に釣れるよ。とくに落とし込みで乗りをキャッチできれば数はのばせるだろうね。直結仕掛けは全長も長いし、探れるタナが広いから、サバがいるいないに関わらず有利だね」と話してくれた。
ブランコ仕掛けで経験を積んだ中級者はぜひ直結仕掛けのスルメイカ釣りへとステップアップしてみよう。
Page1 直結の有位性
Page2 船長、ごめんなさい!
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。