私が竿を出したのは20時半。ところがここで大失態をやらかす。出船前に慌てて直結仕掛けを作ったものだから結びが甘かったのだろう。1投目から仕掛けをロストしてしまった。スペアの仕掛けといえば、マルイカ用の直ブラ仕掛けが1組だけ。
　まあ、以前からこの仕掛けで夜イカをやってみたいと思っていたので、試しに挑戦することに。しかし乗りは訪れない。釣友の佐野さんも木村くんも直結仕掛けで挑んでいたのだが、やはり釣果は思わしくないようだ。
　そんな私たちを尻目に、先ほどの2人がブランコ仕掛けでポンポンと釣るものだから、心中穏やかではない。
　結局2人とも布巻きスッテのブランコ仕掛けにチェンジした。すると一気に乗りがよくなり、佐野さんはスルメイカを連釣するようになった。
　かといって直結仕掛けが悪いわけではなく、むしろ使い手に問題があったのかもしれない。なぜならば船中で一番よく釣っていた冨沢さん兄弟の仕掛けは布巻きスッテの直結仕掛けを使った電動シャクリ。ツノ数が15本と手釣り並みに多く、上下に散らばっているスルメイカを拾うような釣りをしていた。
　そして23時の沖揚がりの時間を迎えたのだが、トップはスルメ21杯とヤリを6杯釣った冨沢さんのお兄さん。船中全体の平均は10〜15杯程度であったが、夜イカのシーズンはまだ始まったばかり。これから徐々に乗りは上向いてくるはずだ。

［大内丸］大内森行船長