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本誌APC(東京)/椎名義徳
掲載号: 2010年6月1日号
うまそうな飴色ボディ
私もこの釣りの大ファンなのです!
おいしいイカを釣りたいけど、あの頻繁な移動と投入の繰り返しが……。仕掛けも手前マツリばかりで……。
イカ釣りに対して苦手意識を抱えている人も少なくはないと思うが、そんな方におすすめなのが駿河湾沼津沖の夜ムギ.スルメイカ釣りだ。
釣り場は年間を通して波穏やかな内浦湾口。沼津各港から5〜15分程度で到着する近場だ。
当地ならではのアンカーを入れてのカカリ釣りスタイルだから日中釣りのような頻繁な移動もなければ、素早い投入を要求されることもない。タナも海面から10〜50メートルと浅く、自分のペースで仕掛けの上げ下げができる。
出船システムも独特で、18時ごろに出船して23時ごろに帰港する「早夜便」と、23時過ぎに出船して翌朝5時ごろに帰港する「深夜便」の2便制の船宿が多い。これなら都心からでもスケジュールに合わせて釣行しやすい。
今シーズンは4月中旬よりスタートし、竿頭で100杯を超えた船も出たほど。これがトップシーズンの5月中旬〜6月上旬ともなれば、竿頭で100〜200杯も珍しくない。
さっそく私も、ということで4月24日、沼津外港の舵丸へお邪魔した。
今回は東京で定時まで仕事をしてからでも間に合う深夜便に乗船。右舷に3名、左舷に4名の竿出しで出船。まずは最盛期のメイン釣り場となる内浦湾口へ。
10分とかからずしてエンジンがスローとなったが、先行の僚船より「釣況が悪い」との情報が入り、土肥沖を目指すことに。
30分ほど南下し100メートルダチでアンカーが入れられた。「最初は50〜60メートルから探り上げてみてください」とのアナウンスで釣り開始。
手釣り、電動直結、ブランコ、エサ巻き餌木と釣り方も各自様ざまだが、中級以上の方ならやはり電動直結がおすすめ。
私は1.5メートルの多目的ショートロッドに小型電動リールをセットし、当地で主流の布巻きウキスッテ2.5号の直結仕掛けで狙うことにした。
ちなみにビギナーなら取り込み時のバラシが少ないブランコ仕掛けが定石だが、一般的なブランコ仕掛けより枝スが短い直ブラタイプがおすすめだ。直結仕掛けと同様に、電動巻き上げをしながらギュッ、ギュッとシャクリを入れるだけなのでそれほど悩むこともないだろう。また、ブランコ式だから取り込みで少々もたついてもバレることは少ない。つまり、直結とブランコのいいとこ取りで、ビギナーの弱点をカバーできるのだ。
開始から30分ほどで電動直結で狙っていた右舷トモの仲乗りさんが胴長15センチほどのムギイカを釣り上げた。オーロラ光が浮かぶ飴色ボディは柔らかくて実にうまそうである。
お次は左トモの常連さん。ブランコ仕掛けのトトスッテに乗せたのは30センチ級の立派なスルメイカだ。
Page1 うまそうな飴色ボディ
Page2 夜明けのラッシュは……
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