ヒラメに食い気があるときには「ガツン」でエサを一気に飲み込んでくれるが、食いが渋いときはしばらくモソモソして放してしまうことが多い。先ほどの武田氏のように、ちょっかいを出すようなアタリはほとんどがハリ掛かりしないようだ。
　そんな状況だったが、右ミヨシ寄りで本日最大の3.2キロが上がり、しばらくすると前出の宮崎氏が3枚目をゲット。
　左舷から流しているのにヒラメが上がるのは右舷ばかり。左舷から新しいポイントに入っているのだから、左舷でアタってもよさそうなものだが。
　開始から1時間すると、わずかに流れていた潮も止まりアタリも減ってしまった。
　手持ちでアタリを待っていた釣り人もいつしか置き竿となり、船中の雰囲気もまったりとしてきた。
　10時。右トモに座る岡田さんがヒラメを上げた。「底から1メートル上げたら釣れたよ！」とうれしいアドバイスをいただいた。さっそくエサを新しいものに変え、底から1メートルほど上げて待つと、「ガツ、ガツ、ガツ！」と待望のアタリ。道糸を張らず緩めずの状態をキープしていると、竿先にハリ掛かりを伝える大きな引き込みが伝わった。
　竿を持ち上げながらリールを巻き始めるとバタバタという感触の引き。これは本命だ。
　仲乗りさんのタモに吸い込まれたのは、後検量1.5キロのヒラメ。食い渋る中での1枚。いやあ、うれしいものです！
　
　沖揚がりは11時半。船中の釣果は0.8～3.2キロが0～3枚。当日は潮が動かず苦戦したが、翌日からは再び好調をキープしている。
　本誌が発売日の10月1日からは片貝沖も全面解禁。これでヒラメシーズンも本番突入だ。

［吉栄丸］川口 吉男船長