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フィッシングライター/ 山口 充
掲載号: 2011年3月1日号
ダブルの嵐にニンマリ
色いろ試して、楽しみましょう!
お言葉に甘えてさっそくオモリを投げる。仕掛けが着底したあとで糸フケを取り、竿先を頭上まで持ち上げてからスッと海面近くへと戻す。
こんな動作で海中の仕掛けは2メートル上がって1メートル落ちるような動きをしているはず。そう考えていると不意にクンクンという感触が竿先に伝わった。イカである。リールのハンドルを何回か回すとズシッと乗った。そのままさらに巻いてみると、さらに重みが加わる。
「何杯掛かったかな?」
ニンマリしながら巻き上げていると、突然ガツーンと引き込まれた。一体ナンだ!
しばらく引きに耐えたものの、最後はプッツリ切れておしまい。
仕掛けを新しく付け直し、心機一転投入する。今度もヤリイカのシグナルがあり、再び多点掛けを狙った。
すると先ほどと同じくガツーンときた。
「その引き、間違いなくマダイだよ!」と叫ぶのは原船長。言われてみれば、たしかにマダイっぽい引きだ。
「こうなったら上げるしかない!」と気合を入れたが、またしてもブチッとブレイクしてしまった。せっかくの新品仕掛けもこれでパー。
ああ、なんてこった。まだイカの顔を見ていないというのに……。
今度こそ!
と思いを込めて新しい仕掛けをセットすると、着底後すぐに乗った。
海面に上がってきたのは本命ヤリイカ。メジャーを当てると胴長は25センチ。まずまずのサイズである。
船長によれば、反応は底から30メートル上くらいまで出ているとのこと。
乗りはさらに上向いてきたようで次投はヤリのダブル。
「さあ、ここからが本番!」
私自身にもエンジンがかかってきたようで、次投以降もダブルを連発した。
ここで不思議だったのがなぜか私にだけスルメがヒットせず、石井さんはスルメとヤリのダブルが多いこと。
周囲を見れば皆さんもスルメとヤリイカを上げていた。
そんなときに石井さんがスッテに掛かったイカを不思議そうに見つめている。
「おっ、それはマルイカだよ!」と船長から声がかかって一同びっくり。言われてみればマルイカもそろそろ乗り始めていいころだ。
昼を過ぎても乗りはよく、胴長30センチ級のヤリイカが次つぎに上がり、前出の大嶌さんも3点掛け。
潮回りのたびに乗る展開が午後3時の沖揚がりまで続いて、船中の釣果はヤリイカが20〜46杯という前日に並ぶ好釣果。いつもならサバに悩まされる時間帯もあるというが、今日は一度も邪魔されなかった。それも好釣果の原因かもしれない。
いずれにしろヤリイカはいよいよシーズン本番、思う存分乗せまくろう!
[はら丸]原 進船長
Page1 スルメ交じりで順調
Page2ダブルの嵐にニンマリ
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。