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フィッシングライター◎訓覇啓雄
掲載号: 2009年2月15日号
群れの移動が速い!!?
深場を狙うシーズン初期はウキスッテに素直に反応してくる
この日はナギに恵まれ取り込みのバラシは少なかった
開幕したばかりのマルイカを狙って、三浦半島.葉山あぶずり港の与兵衛丸を訪ねたのは1月16日のこと。
年が明けてしばらくはヤリイカを追ったものの、今ひとつ状況がパッとしないため、早々にマルイカへスイッチしたという。
シケの影響もあって、釣果的にはまだ安定しないが、14日は20〜32センチが23〜39杯とまずまずの成果が上がっている。ちなみにサイズはエンペラの先から短い足の先端までの全長だ。
7時、6人のマルイカファンとともに出船。ポイントは亀城根周りで水深は70〜90メートル。
反応を探してしばらく周囲を走り回った後、合図で投入開始となるが、なぜか一向に乗る気配はない。
なんでも、イカの足が速く、反応の真上で投入合図を出しても、仕掛けが底に着くころには群れが移動しているとのこと。
こんなときこそ、船長の経験がものをいう。群れの移動する方向とスピードを予測し、先回りして仕掛けを落とす作戦に切り替える。
これが正解。さすがに百発百中というわけにはいかないが、タイミングよく群れをとらえられさえすれば、仕掛け着底と同時にズシッと竿がきしむような重みが伝わる。
マルイカはイカ類の中でもかなり気難しい部類に入る。好奇心が強いわりに警戒心も強いため、手を替え品を替え、様ざまなテクニックを駆使してアピールするのが常套手段。しかし、この日はまるでスルメイカのように、目の前にある仕掛けに躊躇ちゅうちょなく抱きついてきた。
開幕直後でまだスレていないのと、条件がよく活性も高かったのだろう。
最近のマルイカ釣りは、ブランコ仕掛けによるシャクリ釣りと、直結もしくは直ブラ仕掛けによるタタキ釣りの二極化が進んでいる。
当日は全員がブランコ仕掛けを使用。この仕掛けのメリットは、長い枝スがフレキシブルに動くことでバラシが少なく、イカに違和感を与えにくいこと。結果として、イカがスッテを放しにくいため多点掛けの確率が高くなる。
感度を優先して先調子気味の竿を使用するタタキ釣りと違い、ブランコ仕掛けには7:3〜6:4調子のやや胴に入るアクションがベスト。
シーズン初期は深場のポイントを攻めるため、ブランコ仕掛けを選ぶ人が多いのが実情だが、直結および直ブラ仕掛けによるタタキ釣りでも、もちろんかまわない。
ただし、盛期の浅場と同じ要領で竿先を振っても、スッテは思ったほど動いていないはずだから、意識的に大きなアクションを心がけたほうがいい。
スッテの動きが自然なこともあって、タタキ釣りほど腕の差が出にくいのもブランコスタイルの特徴で、全員がほぼ同じようなペースで順調にマルイカを取り込んでいく。
この日はナギで船の上下動も気になるほどではなかったから、バラシも意外に少なかった。ただし、油断して巻き上げが雑になると、足の先だけを取り込むことになる。
あまり慎重になりすぎてもいけないが、やはり中速でドラグを効かせたリーリングが深場のマルイカ釣りの基本だ。
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