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[ヤリイカ]
駿河湾沼津外港発…石花海 舵丸

駿河湾のヤリイカ!ウワサの爆乗りを初体験

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本誌APC(埼玉)◎釜井昌二
掲載号: 2009年2月1日号

最高の景色の中で開始

 


大きなヤリイカが次つぎに上がる。じつに痛快な釣りだ!
ベテランの動きの中に、釣果アップのヒントが隠れている


 駿河湾を擁する静岡県は、ジャンボなものであふれている。富士山はいうまでもなく日本一、美味で知られるタカアシガニは息を飲む大きさだ。今回お世話になった沼津外港の舵丸は、県下指折りの大型遊漁船。狙うはこれまたジャンボなヤリイカである。
 今シーズンも昨年9月のスタートから絶好調。人気はもちろん上々で、100隻以上の船がポイントの石花海(せのうみ)に集結する日もあると聞く。
 
 12月15日。平日だというのに、集まった釣り人はなんと11名。片岡邦人船長の操船で4時半に出船し一路石花海を目指した。
 出船前に準備を整え、キャビン内に設置されているベッドで仮眠をとる。キャビンの中には人数分のベッドのほかテレビ、ポット、トイレ、真水が出る蛇口などが設置されており、まさに至れり尽くせり。私が昔住んでいたアパートよりも設備が整っているような、いないような……しばしの爆睡タイムとなる。
 「着きましたので、準備してください」のアナウンスで飛び起きると、すでに皆さん準備万端整えて釣り座に着いていた。
 う〜む、恐るべしイカオヤジ。やはり気合が違うなと感心しつつカッパを着込んで外に出る。
 すると真っ赤な朝焼けが目に飛び込んできた。北に見えるは優雅な富士山。いやあ、この景色が見られただけでも幸せというもの。ブラボー、駿河湾!
 第1投は7時ちょうど。水深は200メートルほど。
 「必ず投入器を使って仕掛けを落としてくださいね」と、船長から指示が出た。投入器を使っての投入がオマツリ防止の第一歩なのである。
 オモリが着底するとすぐに糸フケを取り、ゆっくりシャクリ上げていく。1流し目からあちこちで巻き上げ音が響き、胴長30センチほどのヤリイカが取り込まれた。
 2流し目には、右舷全員の竿が曲がって瞬く間にオデコが消えた。1杯ずつ取り込まれる様子を見て、「乗りが渋くて単発ばかりのときは追い乗りを狙うのではなく、1杯を大事に取り込むことを心がけてほしいですね。乗りがよくなってきたら1杯乗ってもすぐに巻き上げず、なるべく追い乗りを狙ったほうがいいでしょう。ベテランの方は追い乗りさせて数をのばしていますよ」と当日仲乗り役として乗っていた戸田佳英船長が教えてくれた。
 つまりそのときの状況が1杯を大事に取るべき時なのか、多点掛けを促して追い乗りさせる時なのかの見極めが大切なのだ。
 次第に胴長40センチを超えるパラソル級が交じり始め、皆さんのボルテージも高まっていく。
 ここで気になったのが巻き上げのスピード。皆さんかなりのスピードでガンガン巻き上げている。そんなに速く巻いてイカはバレないのか?と心配になるほどだ。片岡船長に巻き上げについて尋ねたところ、意外な答えが返ってきた。
 「ドラグをきつく締めて、速めに巻き上げないとダメだよ。ゆっくり巻くとイカが暴れるからバレやすくなる。緩めのドラグで大事にゆっくり巻き上げることなんてもってのほか」とのこと。
 「バレるイカはどうしたってバレちゃうよ」と、お客さんも異口同音だ。
 そういえば若いころ、かわいいなあって思う女の子にそっと近づくと、必ずフラれたもんだけど、それと一緒かなあ……(←違うだろ!)。


 

 


 

 

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