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本誌編集部◉斉藤 貴伸
掲載号: 2011年2月1日号
東京湾の釣り場では正確なタナ取りが必須
アタリが少し遠くなった昼前にやや猿島寄りに移動する。ここでは初めからいかにもおいしそうな幅広のアジが姿を見せた。
船はアンカーを入れない流し釣りではあるものの、反応の上に船を止めるため、潮が速くなるとタナ取りにはその影響をかなり受ける。水深50〜70メートルと130号のビシで釣るには比較的浅い釣り場だが、正確にタナを取るには、ビシは重いほうがやりやすい。
東京湾奥の釣り場は、湾口部や相模湾と違ってアジのタナが低く狭い場合が多いので、より正確なタナ取りが要求される。この日も底から1.5〜2メートルの間でアタリが出ることが大半で、それより上に誘い上げるとサバに捕まることが多かった。
50センチ刻みのタナをキープすることが求められるが、それには重いビシを使ったほうが釣りやすく、130号のビシの利点が生かされるわけだ。
仕掛けにしても標準の2メートルを超えない作りが大切になる。2メートルの仕掛けで底から2メートルのタナ、つまりマダイでおなじみのハリス分のタナ取りになるわけで、下手に長さを変えないほうが得策だろう。
付けエサについては、アカタンとアオイソメが用意されていたが、この日に限っては両者の優劣はそれほどなかったように思えた。猿島寄りの釣り場に移ってからは、アオイソメが若干有利に見えたが、それでも決定的というほどではなかった。
正確なタナ取り、奇をてらわない仕掛け、付けエサの種類に固執しすぎないこと。これらはいってみれば、ビシアジ釣りの基本事項といえるものばかりだ。
それをきちんと実践すれば、釣果に反映される。ビシアジはフロックが少なく頑張った人が報われる、とても平等な釣り物といえるのだろう。
納竿時間の3時が近づくにつれアジのアタリはより活発になってきた。3本バリにダブル、トリプルで釣り上げる人も出て、全員がペースアップ。
結局右舷トモの杉村さんが36尾を数えトップ。船中アジは18〜36センチが6〜36尾、これにサバはマサバとゴマサバが交じりで1人当たり10数尾。私はアジが19尾、サバは40センチ級のマサバを手にすることができた。
杉村さんの言葉にもあるように、この日は基本を外さないことが決め手となった。一年の計は元旦にありというが、極意は基本にありという計を立ててまた1年釣りを楽しみたい。
[かめだや]保田 幸司船長
Page1 数型ともに徐々にアップし 船内は活気付く
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