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本誌APC(東京)/ 鈴木良和
掲載号: 2011年1月1日号
タチウオは一筋縄ではいかない相手
次回は釣れるように頑張りましょう、蓮見さん!
船中初のヒットは8時半。同船の水野氏が釣り上げたのは全長75センチ。この時期にしては小型だが、うれしい1本である。続けざまに大高氏も90センチを抜き上げたが、このころから、「うわ〜、食い込まない」「チクショー!」といった声が船中あちこちから聞こえ始めた。
先に述べたように違和感を感じてからハリ掛かりまでがこの釣りの勝負。コツコツとタチウオがエサをかじっているときに合わせてもハリ掛かりしないので、エサを食ったあとは静かに待ち、グッと竿先が持っていかれたら合わせ時なのである。
もちろんタチウオは一筋縄ではいかない相手だから、静かに待つだけではなく、その位置でゆっくりと竿を上下させてみたり、静かに誘い上げてみるなど、色いろ試してみる必要がある。このように試行錯誤して、その日のヒットパターンを探し当てるのもタチウオ釣りの面白さだ。「ぎぇ〜きたぁ〜!」と悲鳴のような叫び声を上げたのは蓮見さん。
ちょうどそのとき、私は左舷で撮影をしていた。彼女の声にただならぬ気配を感じ、右舷に走ると彼女はバトルの最中だった。「重い〜引くぅ〜!」
そんな声を上げながらタチウオと格闘をしていた彼女だったが、竿からフッと負荷が消えた。「あれっ、軽くなった。バレちゃった……」とリールを巻く手を止めてしまったのだ。「ダメだよー!
上に向かって泳いでいるんだからドンドン巻かなきゃ!」と叫んだのだが時すでに遅し。痛恨のバラシを喫してしまった。
上がってきたのはクチャクチャにかまれたエサが付いた仕掛け。寒風に揺れる様がなんとも寂しい。
こういった盛り上がりもすぐに沈静化してしまい、以降はポツポツと釣れる程度。結局模様は上向くことなく、11時半に、「アジに行きましょう!」と言う船長の合図で仕掛けの交換をした。
Page1 あれっ、こんなはずでは…
Page2タチウオは一筋縄ではいかない相手
Page3 癒しの時間が始まった!
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