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[シロギス]
東京湾奥金沢八景発…小柴沖 弁天屋

これぞ落ちギスの妙味 !? アタっても掛からな〜い

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本誌APC(神奈川)/平林 潔
掲載号: 2013年3月15日号

ヒットパターンが分からず

 


降りしきる雨の中、皆さん頑張ってくれました。本当にありがとうございました


 このひどい渋さは、ほとんど潮が効かないことが影響していると感じた。船長は、
 「上げ潮はほとんど効いてないです。昨日も下げ潮が効き始めてから食い始めましたから」とアナウンスしていた。となると9時半から10時を過ぎてからの勝負か。
 まあポツリポツリとは数がのばせたし、釣れるシロギスは20センチ近いサイズが中心で23センチ級のジャンボも数尾いたから、下げ潮が効き始めたらバタバタ釣って勝負! というつもりだった。
 雨はよりいっそうひどくなってきたので、カメラを手にして操船室にしばし避難。
 そしたらビックリ。3日前に入れ食いだったときには海水温が10度近くまであったのに、当日は8.6度で今シーズンの最低温度を記録しているとのこと。異常な食い込みの悪さはこれも原因しているのだろう。
 なんとかエサを食い込ませなくちゃと色いろ試みた。船下で竿先を細かく躍らせて静止、そしてジワーッと聞き上げるとククッと食い込んでくることが何度かあったが、決定打ではない。
 キャストしてからの引き方もあれやこれやと変えてみた。ククッときてキューンと竿が曲がるケースもあったが、3尾ほど連釣しても後が続かない。
 誘いによって食い込み方が違ってくるので、なんとしてもヒットパターンを見つけたかったが、期待の下げ潮も当日はなかなか効かない。終了時刻の11時近くになり、
 「下げ潮が効いてきたみたいなので、少しだけ延長します」という船長のアナウンスがあった。
 なるほど、気持ち素直な食い方になった感じで何尾かゲットしたが、いかんせん時間がない。それに、あまりの冷え込みで指の感覚もなくなった。もう限界だ。
 結局、船下狙いの2人は28尾と27尾。あれこれ悩んであれこれやりまくった僕は20尾という結果だった。でもさすがに落ちギスだけあって型はよかった。
 おかずには十分で塩焼きと天ぷら、そして熱燗に満足した。一緒に揚げた山菜は春の香り。
 「はーるよこい、はーやくこい……」って口ずさんじゃった。それが当日の気分。
 ここ何日かの釣果や、当日のアタリの多さからしてもシロギスはたくさんいる。だってアタリの半分もハリ掛かりさせられなかったんだから。
 潮が効くとか海水温が上がるとかの条件がそろえば、大漁節は間違いないはず。最も厳しいドン底の状態でこれだけ釣れたのだから、3月になれば滅茶苦茶楽しい釣りが待っているに違いない。



弁天屋]糟谷武彦船長

 

 


 

 

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