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[シロギス]
東京湾奥金沢八景発…小柴沖 弁天屋

これぞ落ちギスの妙味 !? アタっても掛からな〜い

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本誌APC(神奈川)/平林 潔
掲載号: 2013年3月15日号

実にやっかいな釣り

 


助っ人として乗船してくれた野口船長はさすがの腕前!


 このところ釣り人泣かせ、船宿泣かせの天候が続いている。僕も凍りつくような船の上で頭から波をかぶって何度か泣いた。
 午前中ならなんとかなりそうという予報が出ていた2月18日、東京湾奥金沢八景、弁天屋の午前キス乗合に出かけた。午後の雨はほぼ確定していたので、午前中にバシバシ釣ってササッと帰るつもりだ。
 しかし甘かった。6時前に船宿に到着したが、予報が悪いせいもあって、なかなかシロギス乗合の釣り客が来ない。老舗船宿だけあって、悪天の予報でもマダイ乗合、メバル乗合、アジ乗合には結構な数の釣り人が来ている。なのにシロギス乗合の船上には僕の荷物だけがポツン。
 定刻の7時半まで待ってだれも来なかったら帰って布団にもぐろうと思っていたら、7時過ぎに1人の釣り客がきてホッと胸をなで下ろす。
 
 午後イシモチ船担当の野口船長も乗って釣りをするということで、ベテランの糟谷船長の操船で無事に7時半に出船した。野口船長は3日前にも午前キス乗合に乗り78尾を釣っている。2本竿とはいえ半日船でその数はすごい。
 釣り場まではほんの15分程度だが、少し走ったらもう冷たい雨がポツポツきたからまいった。
 ポイントは小柴沖の25〜30メートル前後。状況は半日でいい日トップ50〜80尾、悪い日でも30尾程度という好釣果が続いている。
 「始めてください」という船長のアナウンスが入ったが、雨がひどくなる前にある程度の写真を撮らなきゃならないので焦った。
 とりあえず軽くキャストしてゆっくりと手前に誘う。水深があるので船下の釣りでもよいのだが、ちょい投げして誘うのが僕のスタイルだ。
 すぐにククッとアタリがあったが、ハリ掛かりさせられない。こんなことが5回連続して続いた。あれこれと手を尽くしたが、どうもうまくいかない。
 胴の間の野口船長と大ドモ氏は船下で3尾、4尾と数をのばしていく。ゆっくりと竿先を上下させているか、じっと待つパターンだ。
 「これはどうしたことだ!」とパニクったが、自分のスタイルを変えることはしなかった。ただ、やっときた初物も船下まで仕掛を引いてきた後の誘いで食ってきた。
 チョンチョンという小さなアタリがあってスーッと合わせたのだがハリ掛かりしない。すぐに仕掛けを戻すと、またチョンチョン。しばらくしてチョンチョンでやっと竿に乗せることができた。
 落ちギス釣りは何度もやってきているが、これはやっかいだ。エサをチョンとしゃぶって放して、またチョンとしゃぶって放しての後に、やっと食ってくるパターンだ。
 こうなると船下でじっと待ってシロギスが完全に食い込むまで放っておいたほうがいいのかもと思った。実際、置き竿にして手洗いに行ったり、撮影をしてから釣り座に戻るとシロギスがハリ掛かりしていた。
 実は昔の落ちギス釣りはタックルの問題もあって、微弱なアタリを取ること自体がなかなか難しかった。
 ところが今のシロギス専用竿はとても敏感で、僕の竿なんてシロギスがエサに触れただけでチョンと穂先が踊る。
 PE1号のラインを使っているから敏感さにかけてはパーフェクト。ほぼ100パーセントに近い状態でアタリが取れる。
 だからアタリがあっての取りこぼしもよりいっそうクローズアップされてくる。


 

 


 

 

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