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フィッシングライター◉訓覇 啓雄
掲載号: 2013年1月1日号
小ぶり主体も6尾を確保
もともとムラが少ないのがこの魚のチャームポイントではあるけれど、今シーズンはとくに順調なようで、数、型ともに例年以上の釣果が上がっている。
11月29日、平塚の浅八丸からアマダイ狙いで出船。
近年はアマダイ乗合もライト化が進んでいるが、あえてライトと謳わない船宿もある。道糸の太さは別にして、そもそも20年以上も前から50〜60号で釣らせる宿が多かった相模湾ならではの傾向かもしれない。
ライトもノーマルもどちらもOKなんて聞くと、ちょっと混乱してしまうが、要はオマツリさえしなければどうぞお好きに楽しんでという感じか。事前にオモリやタックルを確認する必要があるので面倒な一面もあるけれど、選択肢が多いというのは釣り人にとってありがたい。
で、浅八丸はどうかというと、80号オモリで統一という伝統のスタイルで通している。この日も10人ほどのファンを集め、人気の根強さを物語る。
7時に出船。田中友章船長が向かったのは二宮沖の90〜100メートルダチ。最近まで調子のよかった60〜70メートルダチは、ここにきて今ひとつとのこと。付けエサにオキアミを使うため、多彩な魚種が交じる点もアマダイ釣りの特徴なのだが、どうもアタリそのものが少ない。どうやら潮がほとんど動いていないようだ。
海底に定位し、エサが近づいてくるのを待つというネガティブな性格だから、船が潮で流れてくれないことには遭遇の機会も限られる。
オモリが底に着いたら1メートルほど上げてから、ゆっくり大きく竿を上下させたり、オモリで底を小づいてから聞き上げたりと、パターンを変えて誘いを入れるものの、依然としてアタリは遠い。
かと思えば人の努力をあざ笑うかのように、お隣の置き竿に連発したりと、とらえどころのない一面を見せる。
底物にもかかわらず、潮先の釣り座が必ずしも有利ではないなど、どうもこの魚は決め手に欠き、そこがまたなんともいえない魅力でもある。
それでも、日が高くなるにつれて、船中そこかしこで竿が立ち、本命が次つぎと顔を見せるようになってきた。
惜しむらくはサイズ。いつもと違って25センチ未満が多く、これも効かない潮のせいだろうと油断したのが間違いの元。
いきなり竿先がギュンギュンと締め込まれ、対処する間もなくハリス切れ。食いが悪いからとハリスを2号に落としたのが裏目に出た。
正午を過ぎるころからは普段どおりの食いに近づき、前半の不調を挽回するように数も順調にのびてきた。
定番外道から準本命に昇格しつつあるアカボラことヒメコダイはなぜかあまり交じらなかったが、食べておいしいオキトラギスや、型のいいキダイ、オニカサゴが目立った。
14時に沖揚がり。私は35センチを頭に6尾。船中では20〜40センチが0〜10尾で、7〜8尾の人が多かった。
今シーズンは魚影も濃く、この調子なら春先まで十分に楽しめるだろう。
[浅八丸]田中 友章 船長
Page1 小ぶり主体も6尾を確保
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