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フィッシングライター/ 上田龍太郎
掲載号: 2012年11月1日号
台風&速潮でも釣れる!
釣って、食べて、東京湾の秋を楽しもう
ビシアジはだれでも手軽に楽しむことのできるターゲット。比較的短い仕掛けはビギナーでも扱いやすく、ある程度の釣果も期待できるため、女性やファミリーにも人気が高い。
東京湾にはビシアジを周年看板釣り物として掲げている船宿が多いが、金沢漁港の鴨下丸もその一つ。
最近では食味の点で人気が高いサバも併せて狙っており、1回の釣行でアジ、サバ両方を味わえることも大きな魅力となっている。
9月29日、石川皓章氏、訓覇啓雄氏とともに、訓覇氏の連載〆研の食材確保も兼ねて鴨下丸のビシアジ乗合に出かけてみた。
当日、午前6時半に船宿に到着するとすでに石川氏が来られており、右舷トモ寄りに私たちの釣り座を確保していただいてあるとのこと。
お言葉に甘えて、訓覇氏と3人で並んで竿を出すことにした。
定刻の午前7時15分に出港。前日は台風の通過によるシケで船止めとなっており、明日も台風により大シケの予報。そのため当日は台風の間隙を突いての釣行となったが、沖に出ると快晴.無風.ベタナギの好条件であった。
航程20分ほどで第二海堡沖の45メートルダチに到着。数分魚探の反応を探った後で開始のアナウンスが出た。
当日の仕掛けは図に示したようなもの。東京湾では一般的なオモリ130号のアンドンビシと3本バリ仕掛けを用いた。船で配布されるエサはアオイソメとアカタンで、まずはアオイソメを使って様子を見ることにした。
ちなみに舵を握る高山将彦船長はクッションゴムにこだわりをもっており、アジ釣りに最適な伸びを持つ輪ゴムを船宿で無料配布している。
準備が完了したところで投入すると、予想以上に潮が速く感じられた。これを見た船長から、
「上潮が速いので、オマツリ防止のため仕掛けを投入する際、リールの道糸送り込み機能は使わないでください。仕掛けが着底したら、何度か底ダチを取り直してからコマセを振り、ビシが海底から1〜1.5メートル上に位置するように心がけてください」とのアドバイスが流れた。
1投目、2投目とアタリはなく水深42メートルに移動となる。ここでようやくアタリがあり、本命のアジがポツポツ釣れ始めた。型は25センチ前後の食べごろサイズで、俗に言う幅広の金アジが多く交じった。ただし入れ食いではなく、コマセを振った直後に出るアタリをまめに拾っていくような状況であった。魚はそれなりにいるはずなのに、アタリが続かないということは、台風の通過直後で海中の状況が安定していないということだろうか?
1時間ほどで食いが収束してきたので、再びポイントを移動。今度も第二海堡周りの41メートルダチであったが、やはりアジはポツポツと釣れた。午前9時を過ぎると潮が緩くなり、それまで釣れていた25センチ級のほかに35センチ前後の大型アジも交じるようになった。
「大アジのほうが釣趣は楽しめるが、食べておいしいのは小型の金アジ」と言う人もいるが、果たして幅広の金アジと大アジの味は異なるのだろうか?
その判定結果については訓覇氏の連載.〆研をお読みいただきたい。
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Page2 ヤバい、サバが釣れない!
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。