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本誌APC(神奈川)/平林 潔
掲載号: 2012年7月15日号
誘い方でこうも違うとは!
この時期交じるメジナもけっこう美味
ということはイサキはいるわけで、釣れていない人は釣り方に問題ありと考えるしかない。
矢島さんの仕掛けはウイリー5本バリの自作仕掛け。それに対して僕を含めたほかのほとんどの人は市販の3本バリウイリー仕掛けだ。上2本がウイリー巻きで先端の空バリにオキアミを付ける一般的なパターンだ。
誘い方はスーッと誘って少し待つというよりも、チョン、チョン、チョンという感じで誘い幅が小刻みなうえ、止めのインターバルも極めて短い。コマセの帯の中をチョン、チョンと動いていくウイリーに飛びつかせるような感じだ。
「まあ仕掛けの違いは今さらどうしようもないけれど、誘いだけでも盗ませていただこう」と真似してみたら、ビビン、キューンとイサキが飛びついてきた。なるほどね!
それまではオキアミに食ってきたのだが、薄いピンクのウイリーになかなかいいペースでハリ掛かりするようになった。ただハリが大きすぎるのかググッ、フワーッも多い。
後で聞いたのだが、矢島さんは0.8号のチヌバリにウイリーを巻いているとのこと(小型が多いとき用に0.6号のチヌバリのウイリー巻きも用意してきているらしい)。
ずいぶんと前だが、別の釣り場で小バリを使って好釣果を得ていた常連さんがいたのを思い出した。
僕の解釈ではイサキの口の大きさに対して小バリが掛かりやすいというだけではなく、小バリのほうが誘いの動きも自然となり、アミコマセ1粒の大きさに近くなることでアタリが増えるのじゃないかな?
と思う。次回のイサキ釣りで試してみよう(小バリにウイリーを巻く作業に苦労しそうだが……)。
いずれにしろ誘い方を変えたことでポツポツながら数はのびていった。
7時前に強烈に竿を絞り込んだのは30センチのメジナだった。メジナは1時間ほど後にも35センチを追釣したが、この時期のメジナはなかなかおいしい。
8時近くになると潮が速くなって40号のカゴがスッ飛んでいってしまう状態になり、ずいぶんと釣り辛くなった。
まあ、それでもイサキはポツポツ食ってくれる。
9時近くだった。とんでもない強烈な引きに慌てた。なんたって突っ込みがすごい。
何度かの強い突っ込みを竿の操作でしのいだが、途中で
「こりゃあヤバい」とドラグを緩めた。慎重に浮かせてビックリした。シマダイどころか、縞が消えた立派なイシダイだった。
帰宅後に測ったら40センチ1.5キロ。それにしても1.5号のハリスでよく獲れたものだと、正直言って自分を褒めちゃった。こりゃあ上出来すぎる外道だ。外道といえば、35センチ級のアジも船中で何尾が釣れていた。
雨が徐々にひどくなってきた10時過ぎからは少し走って、若干水深のあるポイントへと移動。船長は15~20メートルを探るように指示を出した。
ここでは型のよい25センチオーバーのイサキも顔を出して、一時は入れて誘えばアタリがあるというチャンスタイムを迎えたが、それも潮の速さに邪魔されて長くは続かなかった。
12時過ぎには僕を含めて竿をたたむ人もポツポツ出始めたので船長は、
「少し早いけど揚がりましょう」とアナウンスした。
トップは矢島さんで35尾。僕は18尾。途中で誘い方を変えたのがよかった。スソは7尾。まずまずの釣果だろう。
釣行日の5日ほど前にはトップで111尾や98尾、スソで75尾なんて大釣りもあったりしたから、潮によっては「下ろせばキューン」なんて入れ食いがずっと続いたりすることもある。
いずれにしても、ライトタックルで釣るイサキは釣趣も満点。水深も浅い時期だから、女性やビギナーでも存分に楽しめる。それに……剣崎のイサキ、おいしいよっ!
[大松丸]鈴木茂明船長
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