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本誌編集部/尾川泰将
掲載号: 2012年1月15日号
アオヤギの肝がキモ !?
30~35センチの良型ぞろい。このお2人も、また来るそうです
フグをさばいてくれる「割烹 旅館なかたに」で、かなりお得な情報を入手した。 同宿では2月ごろまで、地元産のトラフグ料理付きで1泊2食1人9950円(4名以上、前々日までに要予約)という超お得なコースを設定しているのだ。 釣行がてら仲間と新年会というのもオツですよ。【2012年1月現在】
何回か流し直したところで、またも名島さんがカットウ仕掛けで30センチオーバーを追加。同時に食わせ仕掛けの鈴木さんにもアタリがきたが、
「ウガーッ!」と悲鳴を上げつつ掛け損じ。
対してこちらのアカエビは、ほとんどかじられない。
ハズレなのか。ちなみにこの日はお世辞にもアタリが多いとはいえない悪潮で、僚船のマダイ乗合も不調。ボヤキ声ばかりが無線から流れている。
だから、なおさら1尾のアタリが貴重だ。そしてついに鈴木さんが食わせ仕掛けに1尾を掛けたところで我慢も限界、私もアオヤギエサにチェンジ。
カットウのエサバリに3つほどを縫い刺しにし、上部の食わせ仕掛けにも3本バリの真ん中にキモの部分を軸にしてこぢんまりと付けた。上下のハリはオキアミと、サイコロサイズにカットしたアカエビを付け、どれに食うか比較する。
結果は明瞭だった。流し変えての第1投、オモリを底に着けたいわゆるゼロテンションを基軸に、5秒ごとに誘いと空合わせを兼ねたシャクリを入れる。
ここで、まずはカットウに1尾。ゼロテンションのままフグにしっかりエサに食いつかせてからキュッと合わせると30センチ級が乗った。
続く流しは同じくゼロテンションの状態で、食わせ仕掛けにヒット。わざわざ真ん中のハリ、つまりアオヤギエサに食いついていたのである。
こうして12時の納竿時刻までに手にしたショウサイフグは6尾。カットウと食わせに3尾ずつ掛かり、食わせのほうはアオヤギに2、アカエビに1という比率。オキアミはかじられもしなかった。
鈴木さんは途中で一荷もあってなんとか4尾、名島さんは6尾。ほか、シロサバフグを各自数尾ずつという結果。
「今まで見たかぎりではエビにも釣れるんだけどねぇ。やっぱりキモがあって、臭いも強烈なアオヤギが一番なのかねぇ」
船長とあーだこーだと会話しつつ、港へ戻る。
帰港後、釣れたフグは船宿のおかみさんにいったん手渡し、釣り人は道具を片付けながら港で小一時間待機。
フグは車で5分ほどの「割烹旅館なかたに」へ直行し、フグ処理師免許証を持つご主人にさばいてもらうシステムだ。さすがはプロの板前さん、釣り人の元へ戻ってくるフグの身欠きは実にていねいに処理され、きれいに洗ってある。安心、安全この上なしだろう。
食い渋りにしびれた一日だったが、でっかいフグは見栄えもいいし、食べ応えもある。10尾も釣れたら十分という感じだ。
「例年、これから1月いっぱいが一番の盛期。今年は水温が高くて最近ようやく下がってきたところだから、ひょっしたら2月までいいかもね」
船長の予測が的中するのを願いつつ再戦を誓った。
[福神丸]森田保夫船長
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