そこまでこだわっている冷凍イワシなら、下バリに付けても釣れるはず。そう思った私は下バリから生きイワシを外し、冷凍イワシを付けて投入した。
　すると、いきなりガガーンとアタって1キロ級のヒラメをゲットした。
　いや、待てよ。まぐれかもしれないし……。
　もう一度上バリと下バリに冷凍イワシを付けて投入してみたところ、3分足らずでガガーンときて、ソゲクラスを取り込んだ。
　いやいや、こんなにうまくいくわけがない。今度は上バリを外し、下バリ1本で狙うことにした。もちろんエサは冷凍イワシである。
　すると……やっぱりガガーンときてソゲが釣れてしまったのである！
　参りました。エサの大きさもいいのでしょうが、この冷凍イワシ。おかみさんのおっしゃるとおり本当によく釣れます。
　ところでこのダブル仕掛けと冷凍イワシの組み合わせ、どんなきっかけで、いつから始めたのだろう。今度は船長に尋ねてみた。
　「ヒラメ釣りにボウズはつき物なんだけど、せっかく船に乗ってくれたお客さんがアタリなし、お土産なしでしょんぼり帰っていくのがかわいそうでね。そこで数年前からボウズ逃れの手段として上バリを付けてみたところ、よく釣れたんですよ。初めはエサの冷凍イワシも各自持参だったんですが、あまりにも釣れてしまうので、今は船で用意しているんです」とのこと。
　なるほど。釣れる仕掛けに釣れるエサを付けているのだから、釣れないわけがない！ということだろう。
　その後も流し変えのたびにポツポツとアタリが訪れる展開は続き、13時の沖揚がりを迎えた。
　トップはおかみさんで7枚。次頭の5枚が4名。スソですら2枚と文句なしの釣れっぷり。型は1キロ級がほとんどで3〜4キロ級の良型は出なかったが、ワラサやイナダ、アイナメなどたくさんのゲストが顔を見せ、皆さん十分なお土産を手にすることはできたようだ。
　取材日以降もヒラメは絶好調の釣れっぷりを見せ、12月17日には3.5キロを頭にトップ18枚というとんでもない釣果も飛び出した。
　トップシーズンと呼ぶにふさわしい釣れ具合に沸く大洗沖のヒラメ。皆さんもチャレンジしてください。ダブル仕掛けと冷凍イワシを使えばさらにいい思いができるかもしれませんよ。

［藤富丸］小沼洋一船長（左） とおかみの由恵さん