Check
フィッシングライター/ 上田龍太郎
掲載号: 2012年1月1日号
コツをつかんで連釣
昨年並みのロングランになることを期待しよう
関東におけるタチウオ釣りと言えば東京湾の観音崎沖が有名だが、静岡県の沼津市周辺では夜タチウオの人気が高い。当地ではほぼ一年中タチウオを狙うことができるが、秋になってから頭40〜50本の釣果が続いている。そこで11月26日、息子を連れて沼津外港の舵丸に乗船してみた。
午後4時過ぎに沼津港奥の乗船場所に到着すると、すでに20名近い釣り人が集まっていた。当日は遠征用の大型船を用意してくれたので込み合うことなく、私自身は右舷ミヨシで竿を出すことになった。
ポイントは沼津港の西側に広がる千本浜のすぐ沖で、航程はわずか5分ほど。
当地では基本的に夜釣りの場合、アンカーを下ろしての釣りとなる。陸から200メートルほど沖合であったが、さすが急深の駿河湾だけあり、水深は45メートルもあった。
午後5時、戸田船長から、
「準備ができた人は始めてください」とのアナウンスが流れる。船長によると、昨日は午後6時ごろから釣れ始めたとのことだったので、私自身は周囲の様子を見ながらのんびり支度をした。
かつて当地ではワイヤー補強したハリスにタコベイトを装着したり大型水中ライトを用いる人が多かったが、最近では徐々に東京湾スタイルの繊細なタックルを用いる人が増えてきた。
当日も水中灯は全員が使用していたが、カラーは白、緑、青、レインボーの点滅など人により様ざまであった。
また付けエサは船上で配布されるサンマの切り身を用いたが、サバの切り身などを持参する人も見受けられた。
午後5時半、ルアーマンの方に船中第1号がヒット。これを皮切りに3本指サイズが船内各所でポツポツ上がり始めた。そこで息子に竿を任せ、しばらく船内の様子を撮影して回る。
30分ほどして釣り座に戻り、息子に様子を聞くとアタリもないとのこと。船内を見渡すとまだ半数の人は型を見ていないものの、一部の人は本命を連発しており、テクニックの差が感じられた。
そこで、息子の隣で投入のたびにタチウオを連発していた千葉氏に教えを乞うと、親切に色いろと教えてくれた。
氏は千葉の君津市から来ているとのことだったが、沼津のタチウオは東京湾に比べて浅いタナで釣れることや、アンカーを打ってのんびり釣れる点が魅力で、足繁く通っていると言う。
千葉氏によると、最初は海底から海面までゆっくりアタリの出る場所を探り、まずタチウオの遊泳層をつかむことが大切とのこと。誘い方は竿先をゆっくり上げていき、5〜10秒止めてアタリを待つことを繰り返すスタイル。食いがよいときは竿先が一気に引き込まれることもあるが、今日はやや食い渋り気味なのでコンコンという小さなアタリの後、大きなアタリがくるまでじっと待つことがコツだとも教えてくれた。
「今は海面から10〜20 メートル付近でアタることが多いですよ」との話を聞きながら息子が誘いをかけていると、その話どおり18メートルで小さなアタリが見られた。じっと我慢していると15秒ほどして大きなアタリが現れ、合わせを入れると無事フッキング。とりあえず息子も本命をゲットすることができた。
少しすると息子はコツをつかんだ様子で、15メートル前後のタナで投入のたびにアタリが見られるようになり、5本ほど連続して釣り上げ満足げな様子。千葉氏はすでにツ抜けしており、そのお隣でルアーで狙っていた小塩氏の親子も本命を連発していた。
Page1 コツをつかんで連釣
Page2 深めを狙って良型ゲット
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。