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フィッシングライター/竹川啓二
掲載号: 2012年1月1日号
どうして私に釣れないの?
アマダイは手持ち竿で誘うにかぎる
そして船長の予告する11時になった途端、にわかに食いが立ち、船中の竿が次つぎに曲がっていく。引きを見れば一目瞭然。こりゃアマダイに違いない。そこにソコイトヨリの良型も交じり、船上は賑わいを見せた。
ここでハッと気がついた!
「あれっ、アマダイ釣ってないの私だけじゃん!」
もしこのままノーヒットだなら、今シーズン初オデコの不名誉な勲章を授与されてしまう。これだけは避けたいものと気合を入れたが空回り。午後の上げ潮に期待したが外道も食ってこないほど厳しく、状況は悪化するばかり。
「潮がまったく流れないよ〜!」と船長も嘆いていたが、私にアマダイを何とか釣らせようと時間を延長してくれた。
まったりとしたムードが感じられる海底からは時折オジサンが掛かってくるが、おじさんがオジサンを釣ってもシャレにもならないよねえ…。
諦めムードのまま沖揚がり間近となったが、ここで茂手木さんの竿が大きく曲がり、隣の釣り人が玉網を持ってスタンバイする。
グイグイと竿をのされるのをうまくかわして取り込んだのが本日最大となった43センチのアマダイ。
さすがはラッキーボーイと写真を撮っていると、玉網のアシストをした隣の釣り人にもお裾分けのサプライズヒット。こちらも33センチとまずまずの型だ。
船長が、
「今食ってきているからもう1回仕掛けを入れなよ!」とラストチャンスをくれると、これが見事に的中。誘いをかけた途端に竿先が引き込まれ、確かな手応えが伝わってくる。思わず「きた〜!」と叫んでしまったほどのうれしいアタリだ。
ルンルン気分でリールを巻いてくると海面に現れたのはピンクの魚体。しかし黄色い縞模様も入っていた。残念、ソコイトヨリであった。
沖揚がりは13時過ぎ。アマダイは25〜43センチをトップ4尾、ほかソコイトヨリをはじめたくさんの外道が顔を出し、賑やかな釣果となった。
「まだシーズンが始まったばかりですが、今のところ快調ですね。これから年始にかけてが最盛期となります。今シーズンも期待が持てそうです」とは船長の弁。
なお今回、船中で唯一ボウズだった私は再チャレンジのため予約を入れたのは言うまでもない。
[日の出ボート]榎本福太郎船長
Page1 ひと流し目からアマダイが!
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