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フィッシングライター/竹川啓二
掲載号: 2012年1月1日号
ひと流し目からアマダイが!
冬の楽しみです
千葉県富浦多田良海岸の日の出ボート店から、11月21日よりアマダイ乗合を出船しますとの案内が届いた。
3月20日から11月20日までは名前のとおりレンタルボートをメインとして営業しているが、数年前からシーズンオフとなる冬季にアマダイ乗合を行うようになった。
4カ月間という期間限定ながら年々人気は高まり、最近はボート営業中からアマダイはまだか! の催促がくるようになったとのこと。
これには榎本福太郎船長も苦笑いであるが、それだけの実績を上げているのだから致し方ないといったところ。
もちろんアマダイのおいしさに魅了されている私にとっても待ちに待った案内状である。さっそく予約の電話を入れると幸運にも11月26日はまだ予約ゼロとの返事。
これは好都合と2名で釣行することを告げた。釣友とはいつも一緒に釣行する茂手木さんであるが、彼は日の出ボートとの相性がよく、釣行するたびに40センチオーバーを釣り上げるラッキーボーイでもある(ボーイという歳ではないが)。
5時半ごろに港に着くと、まだ船は陸に揚がったまま。船長はもちろん他の釣り人の姿も見えない。
予報に反して風が強く、
「まさか出船中止か?」と不安が脳裏を横切る。
しかしほどなく船長がやってきて残りの3名も到着、
「風は吹いているけど、ナギになる予報だから大丈夫ですよ!」と船長の言葉に安心した。
日の出ボートの乗合船である日の出丸は定員5名の小さな船で、たぶん日本で最小の乗合船だろう。
魚探、GPS、無線は装備しているもののキャビンはないし足元に水も出ない。エサと氷は自前と最新の乗合船に比べればなんとも手間のかかる船である。
ただ秀逸なのはアマダイをよく釣らせてくれること。幻とまでは言わないが、一筋縄ではいかないこの魚をコンスタントに釣らせてくれる腕を慕って、毎年多くの釣り人が訪れるのだ。
出船は午前6時ごろで、周囲が明るくなったころが一応の目安となっている。
港を出ると多少風はあるものの、夜中に比べればだいぶ落ち着いてきた。難所の大房岬を越えるときも、さして波もかぶらず、ユラリユラリと船は進む。
「今日は何尾釣れるかなあ〜?」と期待に胸は躍りっぱなしだ。
さしずめお椀の船に乗って鬼退治に出かける一寸法師の心境とも言えるが、我われの場合はアマダイだけにお姫さまに会いに行くような気持ちになる。もちろん手土産(エサ)は大好物のオキアミだ。
15分ほどで本日の釣り場に到着。初日に好調だった60〜70メートルからスタートとなった。
私と茂手木さんは手巻きのライトタックルで挑み、他の3人は電動リールを付けたノーマルタックルを使用している。
オモリはノーマルタックルの場合は50号が基本だが、ライトの場合は40号でOK。
もし仲間と仕立てた場合はラインを1号以下に統一すれば、よっぽど潮がカッ飛んでなければ30号ぐらいでも楽しめそうな感じである。
1投目から同船の釣り人にアタリがあったが、これは定番外道のトラギス。続いても定番のレンコダイ。さらにソコイトヨリが顔を出す。
いずれも食べておいしい魚だが、やはり本命アマダイがほしいところ。
しかし案ずる間もなく、ミヨシで30センチ級のアベレージサイズが釣れ上がり、釣友の茂手木さんも25センチと30センチを連釣。
いきなり時合到来か!?と思ったが、この3尾でアタリは止まってしまった。
「アマダイは朝早くより日が昇って暖かくなったころによく釣れるよ。10〜11時ごろがいい時間帯だね」という船長の言葉どおり、その後はしばらくどこに移動しても外道のオンパレードだった。
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