Check
本誌編集部/斉藤貴伸
掲載号: 2011年10月1日号
相手は青物ではない
「俺たち、カンパチと勘違いしてないか」と細山さん。
確かに、アタリがくると食い込ませようと少しずつ誘い上げたり、上から落とし込んでイワシの暴れるところを探ったりと、他の人に比べると2人とも明らかに竿の動きがせわしない。
夏の間、カンパチ狙いの泳がせ釣りばかりやっていた後遺症か、生きエサとなるとついつい暴れさせてアピールするような釣り方になっている。
相手はヒラメで青物ではないのだから、もう少しじっくり待ったほうが正解だろうと2人で反省する。
反省は成功の父、復習は上達の母と言うかどうかは知らないが、高めのタナをじっくりキープする釣り方に変えたのを機に、私に1枚、間髪おかず細山さんに1枚と交互に本命を釣り上げ、午前9時までに7枚のヒラメをマイイケスに泳がせることができた。型も2キロ平均とよく、この時点で2匹のウサギを手に入れて、企画は成功に思えた。
およそ9時前まで続いたチャンスタイムを過ぎると、さすがにアタリは少なくなった。60〜80メートルダチのポイントを船長は転々と狙う。移動のたびに1枚また1枚とだれかにアタリが出て、ヒラメが取り込まれる。
10時過ぎには20〜30メートルダチの灘寄りに移動するが、ここでもそこそこにアタリはあった。船中2番目の4キロ級もここで取り込まれた。
潮次第ではこの灘寄りのポイントが本命の釣り場になるようだが、沖目にも有力釣り場があることが外川沖の強みかもしれない。
結果は16人で2〜10枚の計64枚。トップは左舷トモ2番の百田正三さん。船中1キロ以下のソゲクラスは3〜4割ほどで2キロ前後が多く、最大は6.1キロ。
この調子であれば、当分外川沖のヒラメには◎が付くだろう。流し釣りで狙うのでオモリも60号と軽く、アタリから合わせに至るヒラメ特有のプロセスが分かりやすいことも魅力だ。
私たちも4枚ずつと申し分のない結果を得たが、大きな落とし穴があった。予想外に平均サイズがよかったことと水温が高かったためか、大きなマイイケスを用意したにもかかわらず、納竿時には1枚を残して瀕死の状態。あまりにアタリがあるので夢中になって釣り過ぎてしまったようだ。
帰りの車中は反省会……とはならず、外川のヒラメはよく釣れる、次はいつ来るという話に終始する。船を降りたら反省しないところが、これまた釣り親父たる由縁だろう。
[福田丸]福田 稔船長
Page1 いきなり大ビラメ浮上
Page2相手は青物ではない
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。