その後、ポイントを移動するとワラサとイナダが猛烈な勢いで食い始め、石井さんもビッグファイトの末にワラサを上げた。
　このポイントは青物オンリーかと思っていたが、林さんは人知れずヒラメを連釣していた（すごい）。
　とはいえ船中全体では時間を追うごとに青物の勢いが増し、イナダとワラサのほか大型シイラまで顔を出す。投入直後にシイラがヒットし、船中がパニックになる一幕もあったほど。この状況に船長は再びポイント移動を決めた。
　やってきたのは魚礁周り。良型のヒラメが期待できるが、起伏の激しいポイントでもあるらしい。
　オモリが着底したあと、すぐに2メートルくらい巻き上げて、そっと竿を下げていく。オモリがコツンと根に触れたら根掛かりの危険が迫っている証拠。すぐに2メートルくらい巻き上げる。
　しばらくすると竿先にカンカン……というようなアタリが出た。けれど難しいのはここから。送り込めば根掛かりするかもしれないし、食い込みを待つ間にオモリが根にコツンと触れたらヒラメがエサを放してしまうかもしれない。そんな不安を抱えながら竿先の変化に集中していると、グッと引き込まれて無事にハリ掛かり。小型ながらヒラメを釣り上げることができた。
　このポイントでヒラメを手にしたのは私だけではなく、常連の根岸さんが2キロクラスを追加、左舷胴の間にいた星野さんもヒットさせた。
　本日のハイライトの主役は林さん。いきなりビッグファイトを繰り広げ、全員が注目する中でタモ取りされたのは本日最大となる3.8キロのヒラメ。このサイズになると面構えも違えば迫力も段違いだ。
　このあとは1.5〜2キロ級の丸まる太ったイナダを各自追加したが、10時過ぎに天候が悪化して早揚がりとなった。
　それでも釣果は1〜7枚で船中合計34枚。このほかワラサとイナダで各自のクーラーは満タン。
　「今年はホントに絶好調！」
　そんな川口船長の言葉どおりの釣果に私たちも大満足。全員がヒラメの型を見ることができたのは何よりだ。
　これから水温も徐々に低下し、トップシーズンへ向かう片貝沖。皆さんもビッグワンを狙って釣行してみてはいかが！

［吉栄丸］川口吉男船長