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本誌APC(神奈川)/ 平林 潔
掲載号: 2011年9月1日号
釣れ過ぎだよ!
早起きは三文の得!夏のアジも早起きして狙いましょう
強い日差しがチリチリと音を立てながら肌を焼く盛夏の釣りは、ちょっとどころか相当辛い。そこでこの時期に僕が好んで出かけるのは早朝釣りか夜釣りだ。
夜中の空いている道路を涼しい風を切って走り、朝日が昇る夜明けの海で竿を出す。そこそこに魚を釣ったら、暑くなった海にバイバイして帰宅。シャワーを浴びて冷たいビールをグイッとやってからお昼寝だ。
そんな贅沢な時を過ごしてから釣りたての魚を調理しても、夕食には十分間に合う。
というわけで、7月25日の早朝3時過ぎに自宅を出て走水港へと走った。
お世話になった吉明丸は5時出船で昼前に沖揚がりするユニークなアジ乗合を行っている船宿。
走水といえば、かつては早朝4時に出船し、7時あたりまで釣らせる早朝アジ乗合を出す船宿が多かったが、今はほとんどない。朝の薄暗いうちから釣りに出る客が減ったこともあろうが、僕にしてみると残念なことだ。
5時前には僕を含む5人の釣り客が乗り込んで、鈴木船長の操船で走水沖の水深40メートル前後のポイントへと向かった。
「数よりも型。吉明サイズのアジを狙います!」と船長が自信を持って言うだけあってポイントに迷いはなく、ピタッと船を止めてスタートの合図が出た。
東の空は日が昇って朝焼けが美しい。風も涼しい。いいねえ。静かな朝のひとときだ。アタリないし(!?)。
「タナは底から2〜3メートル上。アジの群れが寄るまでは、頑張ってコマセをまいてください」と船長はハッパをかける。
船宿からは付けエサとしてアカタンが支給されるが、僕は前日に釣具店で買っておいたアオイソメを小さくカットしてハリに付けた。
夏の海は濁りが入ることも多い。濁り潮のときは海中で光るアオイソメ有利というのが、過去の経験則だ。
5時40分過ぎに僕の竿がククッと入った。おおっ!
いいアタリじゃないか。
取り込んだのは28センチのうまそうなアジ。手に取るとヌルヌルしている。
それからが、さあ大変!仕掛けを入れてビシを底から1.5メートル上げたところでパッとコマセを振って2メートルまで上げると、すぐにククッ!
だ。その繰り返しで忙しいこと。
それも一荷の連続だからすごい。めちゃくちゃな釣れっぷりだ。
型もスゴい。多くは30センチ弱。そこに35センチとか39センチの大アジが交じる。
僕はカメラを手にして撮影しながらの釣りだけど、魚を入れるオケはあっという間に一杯になってしまった。
こうなると困るのが原稿の内容。この調子で釣れ続けちゃったらどうしようと不安になってきた。
物語っていうのは、山あり谷ありで面白くなっていく。釣りのレポートだって同じだ。釣れました。また釣れました。の連続じゃ面白くない。うーん……。
Page1 釣れ過ぎだよ!
Page2 思わぬ落とし穴が…。
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