しばらくそんな展開が続き、再び平さんに今までとは違うアタリが訪れた。
　「なんだろう？」
　イサキなら特大の可能性がある場所だけに注目していると、なんと上がったのはイシダイだ。右舷では松村さんがメジナをダブルで上げると、私には久しぶりに見た大サバがヒットしてきてうれしい悲鳴。なんともぜいたくな釣りになってきた。
　しかし、アジやサバを釣りまくっているうちに気が付いた。今はウイリー仕掛けのアピールアップを狙って特船イソメを付けているわけだが、戻したらどうなるか？
　
　石井さんにもシンプルなイサキ仕掛けに戻すように伝えて釣りを再開すると、あれっ !?20〜23センチと小ぶりながらイサキがヒットしてくる。アジやサバなどほかの魚の活性が高く、アピールが高い仕掛けに先にヒットしてきていたのか。
　これだから釣りは分からない。心理的にあれだけ付けエサ仕掛けで狙っていた平さんの良型連発を見てしまっては元の仕掛けに戻れないのも無理はないのだが……。
　「今イサキの反応がすごく出てきてるから頑張って」と吉田船長が教えてくれたところでダブルを連発。石井さんも良型を上げて12時30分に沖揚がりの時間を迎えた。
　釣果はイサキが18〜51尾で、最大は38センチ。マアジも大型がそろい、マサバ、ゴマサバも丸まる太った良型。イシダイにメジナも交じり楽しい釣りになった。皆さんもぜひ、おいしい魚が連発する剣崎沖のイサキを楽しんでいただきたい。