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本誌APC(千葉)◉矢倉 登
掲載号: 2011年7月15日号
彼女は急上昇
マダコ釣りは船長(写真奥)にとっても迷うところ、らしい
対照的に好調の波に乗ったのが樋口さん。あれよあれよとタコを乗せ続け、私をあっさり追い抜いてしまった。彼女がバラせば私のテンヤに乗ってくれそうなものだが、バラシということを知らないようで確実に取り込んでしまうのである。
そして前半は不調だったトモ寄りでも好調にタコが釣れ始め、孝夫船長もタモを持って船中を走り回っている。釣れ上がるマダコは500グラム前後の小型が主体だが、1キロ級も時折交じる。今晩の晩酌が楽しみだ。
チャンスと見たか編集長も撮影の合間に仕掛けを下ろして土産をキープ。それにしても樋口さんの勢いはとどまることを知らず、とうとうツ抜けまであと1杯。しかも沖揚がり30分前には胴の間の釣り人がタコを取り込んで全員釣果に恵まれ、船長もホッと胸をなで下ろした。
そして最後の流し。8杯の私は彼女との1杯の差をひっくり返そうと必死に小づく。
だが……その横で彼女がタコの神様が乗り移ったかのように糸をたぐり始めた。しかも、
「今度は大きそうです……」とつぶやいた。
全員が注目する中、船長の差し出すタモに入ったのは本日最大の3キロオーバーの大ダコであった。これには全員が脱帽、これにてこの日の釣りは幕を下ろしたのだった。
船中の釣果は1〜10杯、やせ馬の先走りに終わった私は8杯、トップは大ドモのベテランさんと、なんと樋口さん。
当日を見るかぎりは小型も多くテンヤから抜けてしまう小ダコもいるほどなので、7月も楽しむことができるはずだ。
[鹿島丸]鹿島 孝夫船長
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