Check
本誌APC(長野)/ 高田 光
掲載号: 2011年6月15日号
うれし恥ずかし 1.5キ ロ!
大きなヒラメになればなるほど、一発でエサを飲み込んでくれるという
もうダメか……と思っていた21時過ぎ、突如として魚の食いが活発化した。
相変わらず右舷が中心だったが、1〜2キロ級のヒラメのほかホウボウとマトウダイが次つぎに取り込まれたのである。とくに好調だったがの右舷胴の間氏で、4度のアタリで2枚のヒラメをゲットし気勢を上げる。
一方、私の座る左舷はさっぱり。まさに天国と地獄といった状況で気は焦るばかり。
夜ヒラメはアンカーを入れてのカカリ釣りで狙うため、どうしても釣り座によって釣果に偏りが出てしまうものだ。
それは風向きと潮の流れる方向によるものと推察するが、前日好釣だった席が翌日もいいとは限らず、まさに神のみぞ知るといったところ。
したがって私は周年なるべく同じ席に座ろうとする。もちろんいい日も悪い日もあるが、悪い日ばかりが続くことはないからだ。
10時半。船長はマイクで、
「そろそろ定刻ですのであと5分ほどで揚がります!」とアナウンスした。
一度のアタリもなく、完全敗北状態の私は未練を捨てて潔く仕掛けを回収しようと電動リールのスイッチを押した。
その直後、なんとヒラメが食い付いてきたのだ。きっと逃げるアジを急襲したのだろう。
まさに土壇場でのヒットに私は小躍りし、我を忘れてファイトを堪能する。その末にタモ取りしてもらったのは1.5キロ級。
小型とはいえども今シーズン初のヒラメゆえ、文句の出ようはずもない。この1枚で有終の美を飾ることがかない、気分よく沖揚がりとなった。
船中10人での釣果は1.5〜5.5キロが7枚。ウネリが大きかったせいか、船中で訪れたアタリの半分以上をバラしてしまったようだが、ヒラメの魚影は例年どおりで、ナギに恵まれれば存分に楽しめるはず。
今号が発売されたころは日中のマダイも乗っ込み本番を迎えるため、日中のマダイ、夜のヒラメという両手に花の釣行も一興だろう。
[海遊丸]藤井忠和船長
Page1 ナギは最悪、釣れるのか?
Page2うれし恥ずかし 1.5キ ロ!
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。