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フィッシングライター/朝倉 真
掲載号: 2010年6月1日号
まさかの食い渋り?
気温上昇し、食いも上昇。 アジのチャンスがやってきた
アジはなんと言っても「ハズレのない安定株」が人気の理由。とはいえ潮が速いと混雑時はオマツリが多発したり、タナ取りに迷ったりなどなど……簡単に釣れる魚にしては、ボタンを掛け間違えると結構痛い目に遭うこともある。
そこで今回は「平均以上に釣るにはどうすればいい!?」をテーマとして釣行した。
4月29日に訪れた相模湾大磯港の恒丸は、周年アジ乗合を看板に掲げている老舗船宿。個人的には以前、深場のカマス釣りで大変お世話になった船宿でもある。
当日は大勢の釣り客が集まり2隻出しとなった。飯田仁船長の船に私を含む10名が乗船。定刻7時に航程15分の二宮沖へ向かった。
二宮沖は「瀬ノ海」とも呼ばれ、相模湾のアジ釣りのメジャースポットである。
前日までの2日間は強風のため船止めで、今日は3日ぶりの出船。そんなわけで各自好釣果を期待しながら投入準備に入る。
やがて魚探の反応を見ながらポイントを絞り込んでいた船長より、
「水深135メートル。底から3〜6メートルでやって」と釣り開始の合図が出た。
ここではアジの群れを探して仕掛けを投入〜コマセで群れを足止めし、アタリが遠のいたら潮回りといったパターンで狙う。そのためコマセワーク(コマセの入れ替え)でうまくアジの群れが船下へ着けば連続ヒットも望める。
なお付けエサはアカタンとアオイソメ(イソメは船宿で出船前に購入できる)。
アオイソメは濁り潮で威力を発揮すると言われており、エサのバリエーションとして用意しておきたい。
各自アジが食ってくるタナを探索しながらコマセワークに余念がない。しかし、ヒットするのは良型のサバ。アジのアタリは遠く、本命の姿を見ないまま2時間が経過してしまった。
まさかの食い渋りに船長も唖然。
「前日までのシケ(南西の強風)で、だいぶ潮が澄んでしまったようだ。それと底潮が速く、コマセにアジが着かず群れの移動も速い。シケ前までは水深100メートル前後の反応で、サバよりアジが先行する感じで食いはよかったのに」とのことだった。
船上では、釣れない時間が続くと置き竿にする人が増えてきた。結果、どうしてもコマセが効かなくなりアタリも遠くなってしまう。
そんな悪環境の中、先陣を切ったのは左舷ミヨシ2番のベテラン氏。船中初物となる27センチのアベレージサイズを手堅くタモに収めた。
氏は、終始手持ち竿でアジ釣りの基本を実践していた。
ここで氏の釣り方に注目すると、底ダチを取ったら2メートル巻き上げてコマセを3回振り出す。そして指示ダナの3メートルに仕掛けがなじむように1メートル巻き上げる。ここでアタリがなければコマセを振って、さらに1メートル巻き上げてアタリを待つ。アタリを待つ時間は30秒ほど。そしてアタリがなければ仕掛けを回収し再投入といった要領だ。
また置き竿にしているとアタリを見逃してしまうほどアジの魚信は小さいようで、
「アタリを待つときは手持ちで、竿先に集中すべし」とベテラン氏は語る。
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