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本誌編集長◉沖藤武彦
掲載号: 2011年4月15日号
武士は食わねど高楊枝ならぬ高いタナ?
さて、4月上旬現在伝五郎丸でよく釣れていた人は「付けエサが海底から2メートル上にある」ようにタナを決めて釣っている傾向が見られたそうだ。
これを海面からのタナ取りにあてはめると……(水深60メートルと仮定)。
A 水深60メートル。
B ハリス8メートル。
C ゆえにコマセカゴの位置は海面から50メートル。
となる(一般にクッションゴムの長さは計算しない人が多い)。
具体的な手順としては……
1 コマセカゴを58メートル、または55メートルまで落としたら(タナよりハリス分または5メートル沈める)、
2 コマセを軽く振り出しながら50メートルに合わせる。
これで完了。
それほど急激に水深が変化することはないから、海底から付けエサが2メートル離れているイメージでタナ取りを続けていれば基本的にOK。
実際、探見丸を使わない鈴木さんは定期的に底ダチを確認しては海面からタナを取り、良型のハナダイ2枚を掛けた。
時折タナを聞くと、探見丸を見ている私とコマセカゴの位置はほとんど同じ。機械に頼らずとも正確にタナを合わせることができる好例だった。
さて、この日の剣崎沖は好調の谷間に入ってしまったようで全体的に食いが渋かった。その中で1キロ級のマダイを掛けてくれたのが右胴の間の川上さんだった。
川上さんは常に高めのタナを狙っているようで、付けエサが底上3〜4メートルにくる位置で待っていた。マダイを食わせたときも付けエサは底上3メートル。エサを取られないとつい焦って下げてしまうが、マダイ以外はいらないくらいの潔さで高ダナ狙いを続けたのだった。お見事!
「船長が細かい指示を出さない代わりに、自分たちで工夫して釣るのが楽しいんです」と釣友の清水さんと2人、ライトゲーム用の竿とリールで楽しんでいたのも印象的。
ちなみに今、剣崎沖でタナを低めにしてしまうと小型のサメ(とはいっても1メートルほどのヤツもいる)が食ってくる。マダイを獲得したい人は高めのタナで粘ることをすすめたい。
さて、この日は強風の影響もあって1キロ級1枚、ほか小型のマダイ、良型ハナダイで早揚がりとなってしまったが、その後の伝五郎丸は3キロを含め好調。4月中旬以降はさらに上向くことだろう。
[伝五郎丸]鈴木長喜船長
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