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フィッシングライター◎山口 充
掲載号: 2010年3月1日号
あれ? アタリがないぞ
1月30日、カレイ狙いで訪れたのは茨城県波崎港のひろの丸。廣野正船長によると、この日は今シーズン初めてのカレイ狙いだという。
当地のカレイは例年ならば1月下旬くらいからイシガレイを中心に模様が上向くのだが、今年は年が明けても水温が高めに推移していることもあり、釣れ具合は今一つ。カレイ狙いの出船は少ないのが現状だ。 「例年の今ごろなら水温は5度くらいになるのですが、今年は13度くらいあります。季節の移り変わりがひと月くらい遅れているようですね」と船長もつぶやいていた。
定刻6時に9名の釣り人を乗せて波崎沖を目指す。天気は曇りだが、寒さはあまり感じない。
およそ30分でポイントに到着した。私と石井さんのタックルは東北カレイ用の先調子竿に3本バリ仕掛けの組み合わせ。一方、左右大ドモに座る関川さんグループ3人は各自2本ずつ竿を出していた。1本が置き竿で、もう1本は手に持って誘うという。
この関川さんグループは、毎年ひろの丸のカレイ乗合の初出船日に駆けつけるという常連さんなのだそう。
当地のカレイ釣りのエサはアオイソメとホッキガイの2種類だが、とりあえず私たちはアオイソメだけを付けて釣り始めた。
水深はおよそ30メートル。ゆっくりと小づいて様子を見たが、アタリはこない。
このあと何度か潮回りをしたが、アタリはゼロ。やはり状況は厳しいのだろうか?
そんな不安を振り払うように、アタリをとらえたのは左ミヨシの藤原さん。「きたよ!」と声を上げて取り込んだのは30センチ級のイシガレイ。本命の姿を見て、私もホッと胸をなでおろす。
潮回りをすると、今度は左大ドモの関川さんが40センチオーバーのイシガレイをキャッチ。関川さんはこの直後にもう1枚イシガレイを追加した。
驚いたことに次のアタリをとらえたのもやっぱり関川さん。今度は30センチのマコガレイである。
そんな関川さんとは対象的に、私はエサすら取られない。
一体どうやって狙えばいいのだろうと頭を悩ませていたら、隣の石井さんが、「アタった!」と声を上げる。
じっくり食い込ませてから合わせを入れて、32センチのイシガレイを手にした。さすが石井さん。過去に当地のカレイ大会で優勝しただけのことはある。気になったのは釣り上げたあとで彼女が発した一言。「アタリの出方が、イシっぽくないよ」
これは何を意味しているのだろう……?
とにかく私はエサの食い込みをよくしようと、ハリの号数を15号から13号に落としてみた。ハリスもピーンと張ったエステルから、いくぶん軟らかいフロロカーボンにチェンジ。
これまでの経験上、活性が低いときのカレイはエサを吸ったり吐たりを繰り返すことが多かったからだ。
そんな試行錯誤をしている間にもカレイは上がり続け、左胴の間の山田さんがヒット。「誘わないで置き竿にきたよ」と山田さん。
うーん。置き竿が優勢な時間帯なのだろうか?
でも関川さんは仕掛けを投げてマコガレイを釣り上げているしなあ……。
Page1 あれ? アタリがないぞ
Page2 ようやく手にした1枚
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