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フィッシングライター◎訓覇 啓雄
掲載号: 2010年2月15日号
かつての 輝きを取り戻す 名場所復活の手応え
オニカサゴが本命ターゲットに昇格してかれこれ20年ほどだろうか。抜群の食味と、カサゴながら水圧に関係なく最後まで抵抗する釣り味が認められ、一躍人気魚の仲間入りを果たした。
とくに伊豆では、それまで手つかずに近い状態だったから、面白いようによく釣れた。しかし、人気と釣果はたいてい反比例するのが釣りの宿命。
一気に姿を消すようなことはなかったものの、サイズは徐々に小さくなり、数も段々と減っていった。さしもの石廊崎沖も以前のようには釣れなくなっているわけだ。
ただ、船が減ったことで資源の減少に歯止めがかかり、20年近い時を経て今ようやく復活に転じつつあるのではないだろうか。今日の4人同時ヒットこそ、その兆しなのではと思わずにはいられない。
この釣れ具合ならもう十分と判断したのか、船長は普段より1時間ほど早く沖揚がりを宣言。
深い海の底で静かに暮らす魚だけあって、オニカサゴの詳しい生態はまだ分かっていない。ただ、この魚は長生きかつ成長が遅く、40センチ級ともなれば、一説には30 歳40歳魚も珍しくないという。自分より年上の可能性も十分あるわけだ。
そんな魚には敬意を払うべきで「今日はこのへんで……」と控えめな気持ちを大切にしたい。
釣果は大ドモの2人が10尾と9尾、左舷ミヨシ6尾、右舷ミヨシの私は5尾。スソでこれほど満ち足りた気分に浸れるのも珍しい。
しかも条件がよかったのか数だけでなくサイズも上々で、0.8〜1キロ前後を主体に最大は1.5キロ。
付けエサについては、イイダコで3尾、アナゴで2尾という結果。偏らないよう刺す順番も変えての結果だから、それなりに意味はあるのだろう。
ただ、船中での聞き込みによると、トップの人はサバがよかったというし、アナゴが一番釣れたという人もいた。
要するに、個人レベルならともかく、全体では顕著な傾向は認められなかったというのが結論。
地形的に西および南寄りの風に弱いため、冬場はどうしても出船不能の日が多くなるのが難点だが、潮さえほどよく動いてくれれば、往年の状況を彷彿させる釣れっぷりが楽しめる可能性は高い。
[月見丸]佐藤 泰一船長
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