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本誌発行人◎根岸伸之
掲載号: 2010年1月1日号
「かっこよく釣れ!」 最後にお誉めの言葉
スミイカは徐々に良型化。 なのに水深が浅いのがいい
記憶の回路も蘇ってきた10時過ぎ、私も竿を出してみることにする。まずは20号のテンヤにスッテを付け、エイヤッとばかりに投げ込むが、2つの仕掛けを付けていると、空中で反発しあうのかどうしても距離が伸びない。
それでも船下を中心に丹念にシャクっていると、ドシンとばかりに竿を止められる。久しぶりの乗りに有頂天になったのか、シャカリキにリールを巻いて取り込んだのは250グラム級だった。
記憶の回路はイカを乗せるまでの所で切断してしまったらしい。納竿直前、見かねた船長に、
「もっとかっこよく巻かなくちゃだめだよ」と注意されるまで気が付かなかった。
11時ごろに潮止まりがきて、船長は中ノ瀬の西側、20メートル前後に移動する。徐々に上げ潮に変わると、もっとも有利な潮先となったのが右舷ミヨシに座る私だった。
ここまで2杯。仕掛けを投げづらいと感じた私はスッテを外し、テンヤのみで狙うことにした。今でこそマダイで流行しているが、これぞ、元祖一つテンヤだ。
飛ぶ飛ぶ、スッテ付きとは大違い。抵抗がないぶん、軽く投げただけでヒューッ。これだけでも爽快な気分だ。
遠投釣法に応えるかのように、午後からハイペースで釣れるようになり、2時過ぎの時点で待望のツ抜け達成。もういいや、と竿をしまおうと思ったら、前記した船長のお言葉。
「なるほど」と思って、もう一度テンヤを投げ入れる。すぐにスミイカが掛かったが慌てない。竿を胸元に引き寄せ、シャリシャリと一定スピードでリールを巻く。すると船長からマイクで、
「それでいい、それでいい」
ようやく最後にスミイカ釣りに及第点をいただき本日の釣りを終えたのだった。
3時納竿、トップ14杯が2人でスソ4杯。6人がツ抜けするという大満足の釣果。船長からレクチャーを受けた初心者も2ケタ釣りで、顔を真っ黒にして大喜びだった。
[根岸丸]新井清司船長
Page1 さすが、船長の腕前 教えながらすぐに1杯
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