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本誌APC(東京)/鈴木良和
掲載号: 2010年10月1日号
スルメ狙いはまさかの苦戦か
サバが多いときは、直結にスルメ(べ)?
まもなく投入の合図。船長のアナウンスは底から40メートル上までの範囲。
ところが仕掛けを落としてみると、スルメの乗りは今イチ。胴長25センチ前後とサイズはまずまずだが、ポツリポツリと上がる程度で船中のムードも盛り上がらない。当地のイカ釣りは船を潮に乗せて狙う大流し。150号のオモリが付いたイカ仕掛けをシャクリ続けていては、すぐに暑さでバテてしまうだろう。
そこでおすすめしたいのがブランコ仕掛けによる落とし込み釣法。海底から40メートル上のところからサミングしながら落とし込んでいき、オモリが底に着いたらすぐに底から40メートル上まで電動で巻き上げ、また落とし込む。
この方法を弟に教えると、
「落下が遅くなったよ」
「そのまま巻き上げて!」
すると胴長25センチのスルメイカが姿を現した。
ところがこのころから弟親子は船に酔ってしまい、あえなくダウン。
「マズイ……まだ約束した船上干しも確保していないし、このままでは弟の分も釣るハメになるぅ〜!」
そこで私も撮影の手を止めて釣りに参加。
残された時間は3時間強。ブランコ仕掛けよりも手返しがよくて爆発力のある直結仕掛けをチョイスした。
シャクリ続けることしばし、グッ!
と押さえ込むような手応えとズシリとした重量感、胴長30センチのスルメイカを抜き上げた。
釣れ上がったイカを外したらすかさず仕掛けを送り込む。直結仕掛けといえども、慣れてくると落とし込みでイカが乗ったときのフワッとした感触が分かる。このときにシャクリ上げるとズシッとくるのが快感だ。
勢いに乗ってシャクリ続けるとさらにズシッ!ウイーンと唸る電動リールの巻き上げ音も心地よく、一荷でスルメイカを取り込む。
ところが思いのほか数はのびない。ようやくいい反応が出たのは沖揚がりの直前で、後ろ髪を引かれるような思いで竿を納めることになった。
スルメイカの釣果は5〜22杯。フラッシャー五目の釣果は40センチ前後のクロムツが1〜3尾で、アジとサバは多数。私はなんとか船上干しを15枚作ることに成功し、アラ釣りは次回の楽しみとすることにした。
ちなみに取材日後のスルメは勝浦沖で活発化。大釣りする日もあるので、なるべく早めに釣行していただきたい。
[オフショアネット 長作丸]桜井節夫船長
Page1 まずはフラッシャー五目
Page2スルメ狙いはまさかの苦戦か
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