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本誌APC(東京)/鈴木良和
掲載号: 2010年10月1日号
まずはフラッシャー五目
見よ、このクロムツ。 おいしそうですなあ!
夏を代表するイカと言えばスルメだが、今年は常磐地域の夜スルメをはじめ、全体的にパッとしなかった印象だ。
そんな中でも比較的に安定した釣果を出していたのが南〜外房エリア。頭は40〜50杯、日によってはそれ以上の釣れっぷりも報告されていた。
「今度の取材はスルメになったよ」と女房に話すと、
「それだったら船上干しを持ってきて」とせがまれた。
南房太海港の長作丸を訪れたのは8月29日のこと。
釣友の玉芳くんたち2名と合流し、4時過ぎに計7名で出船となった。
まずはフラッシャー仕掛けを使ってお土産作り。現在人気を集めているクロムツのほか、アジ、サバなどが掛かるので楽しみ。港から20分ほど走ったところで、
「やってください。仕掛けは底スレスレでいいですおぅ」と船長が合図を出した。
カウンターの表示が120メートルを示したところで着底し、置き竿にして様子を見ているとコンコンときた。
しばらく追い食いを待ってから巻き上げると、35センチのアジと40センチのクロムツが釣れ上がった。
釣友の玉芳くんもクロムツを釣り上げてVサイン。
「鈴木さん。トモでいいクロムツが上がったよぉ!」
船長の声でトモに向かうと常連さんが45センチを手にニンマリ。
好調に釣れていたクロムツだったが、周囲が明るくなるにしたがって姿を消し、代わりにサバが食い始めた。
海底まで仕掛けが届けばアジ。海面下70メートル付近で止まるとサバだ。
40センチ級の大型が掛かるのはうれしいけれど、オマツリが連発してしまうのが少々つらい。私と弟も仕掛けを絡ませてしまった。
その処理を終わらせて仕掛けを取り込むと上のほうにアジ、下のほうにはサバが掛かっていたが、ほかに海藻らしきものが付いていた。
ナンだろうと思ってよくよく見ると……スルメイカ!
海面でピューッと潮を吹いて逃げてしまったが、弟の仕掛けにもスルメにかじられたサバが付いていた。
これを見た数人がすかさずイカ仕掛けを入れてみたが、スルメの移動が速いのか型を見ることはできなかった。
釣り開始から1時間半。「それではそろそろイカ釣りに替えます」と船長。
やってきたのは行川沖の180〜200メートルダチで、船団が形成されていた。数日前に長作丸で束超えの人も出したというポイントだけに、期待は膨らむばかり。
皆さんはすぐにイカ仕掛けを投入したが、私はイカ仕掛けのほかにもう1つの仕掛けも用意していた。
実は長作丸では2日前にアラが2本も上がっていた。そこでアラ狙いを密かに目論んでいたのである。
Page1 まずはフラッシャー五目
Page2 スルメ狙いはまさかの苦戦か
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。