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[スルメイカ]
相模湾小田原早川港出船…初島周り 富三丸

VS駿足スルメイカ。 スピード勝負で挑むべし!

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本誌APC/ 平林 潔
掲載号: 2010年7月1日号

落下速度アップ作戦!

 


夏イカの代名詞が今年もきました


 狭いポイントに何隻ものイカ船が集まって、まるで戦場のような雰囲気だ。急制動をかけたときにエンジンの黒煙があちこちで舞い上がる。
 ここで何杯釣るか、まさに今が勝負時だ。船長はすごい気迫で素早い仕掛けの回収と投入を急かす。
 とても温和で面倒見のよい船長だが、もともとはキンメやイカ漁で生きてきた漁師だ。勝負時とみなすや即150 号のオモリが配られ、全員オモリ交換。少しでも早くタナに仕掛けを届かせようという作戦に出た。
 こうして船長の気迫と作戦が実を結び、多点掛けを達成。船上に張られたロープに開いたイカがズラリと干されると、ようやくスルメ船の雰囲気になってきた。
 その後は転々と移動しつつポツポツ追釣し、12時半過ぎに真鶴沖へと移動。ここでは36センチそこそこのサイズも出た。
 その後も大きな変化はなく2時に納竿。30センチ弱主体でトップ19杯、スソ8杯。一昨日と比べるとちょっと寂しい釣果に、「そこらは運だねえ。乗る日っていうのは、仕掛けを下ろせばイカが付いてくるって感じだからなあ」と船長。
 6〜7月がベストシーズンと予想されるから、ノリノリのイカがズンズンッと乗る手応えを満喫するには、今後に期待したい。もちろん一発で当たりくじを引くか、渋い試練を与えられるかは運次第だね。
 船長は余裕がある日には操船しながら竿を出すそうだ。釣り方は「14本の直結仕掛けを落として、そのまま電動リールでタダ巻きするだけだよ」とのこと。
 シャクってイカを誘惑するのではなく、何度もタナを探ることにウエイトを置いている釣り方と読んだ。
 当日は、僕を含めて手巻きでシャクっている人が多かったが、船長から、「そんなことしてたらイカがどっかに行っちまう。電動の巻き上げ速度を半分くらいのスピードにして、どんどん探って!」とアドバイスされて釣り方を変えた。
 状況を読んでいかに対応するか。これが釣りの面白いところであり、シビアなところだ。
 釣りの妙に浸りながら食べた船上干しは、なんとも格別。八代亜紀じゃないけど、「肴はあぶったイカでいい〜」ってとこだね。



富三丸]吉川平吉船長

 

 


 

 

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