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本誌APC(千葉)/ 矢倉 登
掲載号: 2011年4月1日号
スロー巻きで4杯掛け
小型が多いものの空振りなしの乗りが楽しめた
ザル一杯はあっという間
例年なら年明けごろから白浜沖を中心としたポイントで釣れ出す南房のヤリイカ。今期は若干イカの回遊が遅れ気味だったが、2月に入って群れが集結したようで、ようやく本番突入といったところだ。
釣果も連日好調で日によりトップ束オーバーの声も聞かれる。そんなときタイミングよく本誌の斉藤さんから、
「ロートルチームで南房のヤリイカに行きませんか」とのお誘いに躊躇(ちゅうちょ)なく釣行を決定した。
南房千田港の小倉丸へ出かけたのは3月2日。定刻の午前6時に左舷に3名、右舷に私と斉藤さんが並び、小倉眞船長の操船で千田港を離れる。
大きなウネリがある中、沖へ進むこと約20分。着いたポイントは白浜沖だ。周りには10数隻がヤリイカを求めて集結している。
数分後には船長から合図が送られ、さっそく仕掛けを放り込む。水深は150メートル前後で、200メートル台を狙っていた1か月前の釣行と比べるとかなり浅くなっている。
ベタ底で5〜6回フワフワとツノを踊らせた後、目の高さまで竿先を誘い上げてみる。すると、早くもクンクンとヤリイカからのシグナルが送られてきた。
まずはヤリイカの顔を拝もうと、追い乗りを待たずに巻き上げてみる。中速のスピードでウネリに合わせて巻き上げてみたのだが残念ながら7本のツノにはイカの姿がない。
1本のツノに墨が、そしてもう1本には足が付いていたので乗っていたのは確かだろう。
次はもう少し慎重に巻き上げてみようと、すぐに仕掛けを下ろす。今回も着底後すぐにイカの乗りが伝わり、少し追い乗りを待ってからスピードを落として巻き上げを開始する。
左舷ではヤリイカを順調に取り込んでいるよと、斉藤さんが伝えてきた。ヤリイカの群れはかなり濃いようで、乗りもすこぶる良好だ。
スピードを落としたことで巻き上げ時間は長く感じたが、今回は4杯のヤリイカが掛かっていた。型は胴長20センチ弱の小型だが、食べるには最高にうまいサイズだ。また、ハモノ狙いのエサには持ってこいだろう。
投入ごとにヤリイカは乗り続け、ツ抜けは簡単にクリアすることができたが、仕掛けを回収するたびに足だけが付いたツノがかなりあった。大きなウネリでテンションがかかったときには、ドラグを調整して巻き上げがストップする程度にしたほうがいいようだ。
乗りが悪くなると船長は船を移動させ、より濃い反応を探して合図を送ってくる。そのせいもあってか仕掛けが着底する前にイカが乗って、フワッと道糸がフケることもあった。
スルメイカではちょくちょく経験するが、ヤリイカではよほど活性が高いか、群れが濃いときに起こる現象で、こんな場合は積極的に追い乗りを狙うべきだろう。
画撮りを終えた斉藤さんもトモで仕掛けを下ろし最初は単発続きでヤキモしていたが、本日の状況を察知してか、途中からパーフェクトで乗せるなど怒涛の追い上げを見せ始めた。
日によってはサバの邪魔が多く苦戦する日もあるようだが、今日はサバも少なく釣りやすいので数ものびる。
Page1 スロー巻きで4杯掛け
Page2 空巻きなしの活発な乗り
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。