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フィッシングライター/山口 充
掲載号: 2011年2月15日号
常連さんが3連発
いい乗りに石井さんもご満悦
昨年同様に好調で注目を集めている釣り物がスミイカ。
近年は餌木を使った釣りも注目を集めているが、シャコをエサにテンヤで狙うスミイカ釣りも根強い人気がある。
一定のペースでシャクリを入れていると、いきなりズシッと重みが伝わってくるが、あの衝撃は一度味わうとやみつきになるほどの魅力を秘めている。
テンヤのスミイカを楽しもうと、1月15日に訪れたのは三浦半島浦賀港のみのる丸。宿に入ると大型スミイカの魚拓(?)がズラリ。その横には本誌でおなじみ金井恵美さんがスミイカの墨で書いたサインもドーンと飾ってあった。
釣り人の皆さんにあいさつしたあと、左胴の間に石井さんと並んで釣り座を確保。今日は両舷4人ずつの計8名が乗り込むようだ。
準備が終わったあと、斉藤信良船長からシャコの付け方を教わって7時半に出船、ポイントの浦賀沖へおよそ15分で到着。25メートルダチで開始の合図が出た。
皆さんの竿先に結ばれているテンヤの色は様ざまで、グリーンの夜光、白の夜光、このほかオレンジ、ピンクなどまさに色とりどり。
テンヤの上にスッテを付けることも有効とされているが、当宿の常連である岩沢氏、直井氏の仕掛けにはスッテが付いていなかった。
そういえば、この釣りを覚えたてのころ、「山ちゃん、スッテを外して勉強しなさい!」と先輩に言われたことがある。
その日はスッテに乗ることが多く、スッテを付けたい気持ちはあったのだが、シャクリのペースやテンヤに乗ったときの感触などを感じることがこの釣りのだいご味だから、まずはテンヤだけで釣ってその感触を覚えたほうがいいと教わったことを思い出した。
そういった釣趣の面だけではなく、テンヤを投げて広範囲を探るときにスッテが付いていると投げにくいこともある……とかなんとか言っても、お土産が確保できるかどうかは重要なので、私と石井さんはスッテという「保険」を付けた状態で釣りを始めた。
空は曇り、気温は低い。午後からは風が吹くという予報。決してベストなコンディションではないが、このところ好調が伝わるスミイカである。期待せずにはいられない。
さっそくテンヤを投げて、底まで沈める。糸フケを取ってシャクリを入れて、再びテンヤを底まで落としていき、道糸を張らず緩めずの状態で乗りを待つ。
このような動作を船中全員で繰り返しているときに、左舷ミヨシの岩沢さんがバシッ!
と合わせを入れた。
上がってきたのは本命スミイカで胴長は22センチ。お見事である。
次にヒットさせたのも岩沢さん。その次も岩沢さんだ。
わずかな時間に3連発。さすがとしか言いようがない。
岩沢さんのようにスミイカを乗せたい私は、「どんな感じの乗りですか。どんなタイミングでシャクっているのですか?」と矢継ぎ早に尋ねてみたが、勘どころは今イチ分からない。「今日は本当に渋いよ。イカは触ってくるけどなかなかテンヤに乗らなくて放しちゃう。本当に調子のいいときは触ったときにすぐ合わせても掛かるんだけど、今日はそうじゃない。もし触ったような感じがしたときは何回かソフトに誘ってみるといいかもしれないよ」と教えてくれた。
Page1 常連さんが3連発
Page2 こんな乗りを待っていた
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