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本誌APC(千葉)◎宇田川 亘
掲載号: 2009年1月1日号
カイワリ連釣で幕開け
タイの食いは渋かったが、イサキは良型が連発した
巧みなコマセワークでタイを攻略しよう
ハナダイの産卵は例年11月ごろとか。この時期の江見沖は水深70メートル前後の深場で産卵を控えた30センチ級の大型が狙えるそうだ。好調時には、そんな良型が20枚以上釣れることもある。
釣友の重森氏を誘い12月2日に向かったのは南房江見港の新栄丸。集合は5時半。宿の待合室にはすでに4名の釣り人が待機していた。
出船は6時ちょうど。仕掛けの投入時間が6時半と決められているため、武ノ内一浩船長はゆっくりとポイントへ向かう。雨は早朝に止む予定だったが、雨足は未だに強い。2日前のシケの影響か海には大きなウネリも残っていた。
最初のターゲットはマダイ。五目だけに単一の釣り物にこだわらず、数種類の魚を釣ってにぎやかに楽しんでもらいたいというのが船長のポリシーなのだ。
タイ狙いのコマセカゴはオモリ80号のLサイズ。イサキなどを狙うときは小型のFLサイズに切り替える。仕掛けはハリス3号の全長6メートルだ。
「水深54メートル。根の際から流します」
船長の合図で投入すると、右舷で3人同時にヒット。ミヨシ2番目の人には25センチのマダイ、胴の間氏は23センチ級のカイワリがダブル、そして大ドモ氏は30センチ級のカイワリを取り込んだ。
「宇田川さん、きたよ!」という声で振り向くと、左胴の間に座る重森氏が25センチのマダイを手にニッコリ。
2投目も食いはよく、右舷でハナダイや良型のヒラソウダ、さらにカイワリや45センチのイナダなど入れ食い状態となった。
船中あちこちで次つぎと竿が曲がる様子を見た私は我慢できなくなり、開始から1時間ほどで竿を出すことにした。
しかし私が仕掛けを下ろしてから急に魚の食いが渋った。右舷では時どき小型のマダイやイナダが上がるのに、私の座る左舷はさっぱりダメ。
3流し目はさらにアタリが遠くなり、船長はやむなく釣り物変更と移動の合図を出す。
今度のターゲットはハナダイ。5分ほど走ってから慎重に反応を探し、水深75メートルで投入の合図を出した。
私は過去の実績からハリス2.5号、全長3.5メートルの3本バリ仕掛けを使った。ハリはすべて空バリで、オキアミを付ける。1回当たりのシャクリ幅は60センチ前後とし、アタリを待つ時間を長めに取るのがコツだ。
期待を込めて投げ入れた私の仕掛けは76メートルで着底。ゆっくりと誘い上げていく。この江見沖ではアマダイも釣れる。ときには40〜50センチの大型が掛かることがあるので着底直後も油断はできない。
底から8メートル上まで誘い上げたところでギューンと強く引き込まれた。しばらく強い引きに耐えて追い食いを待っていると竿がさらに強く引き込まれる。
ここで電動リールのスイッチを入れて巻き始めたのだが、途中でトラブル発生。電源コードが長年の使用により腐食していたらしく、不意に巻き上げがストップしてしまった。それとほぼ同時に強い引き込みがあり、プチという感触が竿を通して伝わってきた。
がっくり。25センチのカイワリは顔を出したが、2番目の枝スは結び目からプッツリ切れていた。
その間にも船中では同型のカイワリや30センチ級のハナダイが上がったが、まもなくアタリは少なくなり、やがてはアタリが消えてしまう。
Page1 カイワリ連釣で幕開け
Page2 やった、良型のアマダイ
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