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フィッシングライター◎山口 充
掲載号: 2009年1月1日号
良型のアタリを楽しむ
イシモチは東京湾の人気ターゲット。今年も秋からの好調を維持したまま冬を迎えた。この魚の魅力は強い引きと不思議な難しさ。竿先をガタガタと激しく揺らしてハリ掛かりしたと思ったら、あっさりとバレることもしばしば。
経験者があれこれと仕掛けに工夫を凝らして失敗する横で、ビギナーがあっさり連釣することもあり、いつも奥深さを感じさせてくれる。
11月28日に訪れたのは東京湾奥金沢八景の新健丸。アットホームな雰囲気で、ビギナーやファミリーでも安心して釣行できる船宿だ。
当日は冬の寒気が緩んだようで絶好の釣り日和に恵まれたが、前夜まで吹き続けた強風の影響が気になるところ。
私が釣り座を構えたのは右胴の間。竿は2本。カレイ竿と、この日のために製作した7:3調子のオリジナルイシモチ竿。仕掛けは胴つき2本バリでエサはアオイソメ。自作仕掛けで釣るのも楽しいが、船長の経験がフィードバックされた船宿仕掛けを使うのもおすすめだ。
準備を終えたところで定刻7時半に出船する。舵を握るのは新明秀幸船長。釣り人は10名だ。
15分ほど走った横須賀沖で開始の合図。水深は30メートル。潮は濁っているようで、仕掛けを沈めると海面下2〜3メートルほどで道糸のメーターマークは見えなくなった。
オモリ着底後、仕掛けにアクションを与えないほうがいい状況もあるが、基本的には道糸を張り気味にして海中でフワフワと揺れるくらい誘うのがセオリー。間もなく、
「アタった」と石井さん。そのまましばらく待ち、激しく引き込まれたところでおもむろに巻き上げを開始。
「先週はこのポイントでアジが多く交じったから慎重にね」と右ミヨシの常連、岩橋さんから声がかかった。
姿を現したのは本命イシモチ。続いて右大ドモの村上康裕さんにもヒット。こちらはなんと30センチ級の良型だ。やがて船全体でポツポツとイシモチが上がり始めた。型はどれも22〜25センチといったところ。
「思ったよりも食いがいいです」と船長もホッとした表情。
時間がたつにつれ、小刻みなアタリが増えてきた。
「これってシロいヤツかな?」
いぶかしげな表情を浮かべつつ、ハリ掛かりさせたのは岩橋さん。上がったのはシロギス。やはり!
と思った私の仕掛けにもシロギスが掛かっていた。
本命が出なくなったころ、「やや深めの、大きいのが出るポイントへ行ってみましょう」の合図で猿島沖の水深50メートルへと移動。私は過去にこの釣り場で何度となくいい思いをしているが、この日も食いは良好。すぐに船中あちこちでアタリが訪れた。
上がったイシモチの大半が良型。30センチオーバーのジャンボサイズもチラホラ。
前出の岩橋さんによると、「この猿島沖はいい日は30センチ級ばかりが釣れます。ときにはマダイも交じるんですよ。この前なんて3キロのタイが出たんです」とのこと。
Page1 良型のアタリを楽しむ
Page2 猿島沖では最大38センチ!
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。