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本誌APC(神奈川)/平林 潔
掲載号: 2012年12月15日号
釣り場までは航程5分!
当地のイシダイは仕立船ならではの釣り物だ
利一丸は3隻の持ち船がある。異なる釣り物を組み合わせるリレー釣りも可能
磯釣りならともかく、沖釣りでのイシダイは外道として交じることはあっても、狙って釣れる魚じゃないと思っている。
そもそもイシダイを専門に狙う船も少ない。個体数だって少ないだろうから、たくさんの船で狙ったら資源が続かなくなるだろう。
僕も、うんと前には仲間と西伊豆の戸田まで車を走らせてイシダイ専門の船を仕立てたものだ。ポイントにカラス貝をまいておき、そこに船を固定するカカリ釣りである。
戸田に行かなくなって何年もたつが、イシダイの釣趣は体が覚えていて、機会があればチャレンジしてみたいと思っていた。
そういえば三浦半島剣崎沖もコマセ釣りでイシダイが狙えることで有名な釣り場だ。
とはいえたくさんの船が狙えるような環境ではないから、数軒の仕立専門の船宿がイシダイ釣りを大切に維持し続けている。今回お世話になる剣崎間口港の利一丸は、そんなイシダイ五目を看板にする船宿として一目置かれる存在である。
利一丸へ向かったのは11月7日。田代充さんの職場仲間5名の仕立船に便乗させていただけるという。
5時半少し前に船着き場に着いたが、皆さんすでに竿もセットし終えて準備万端。
急いであいさつをし、左舷胴の間に入れていただいた。
舵を取る氏原正美船長は穏やかな人柄で、出船までの間にあれこれとノウハウをレクチャーしていただき、カゴの調整もお願いした。
気になる釣果は数日前のトップがイシダイを30枚程度で、サイズは25〜30センチ級が主体。本命のほかにはイサキ、マダイ、ワラサ、カワハギ、アジなどが交じるという。
6時過ぎに港を出たあと、協定時刻の6時半まで待機。そして6時半になるとフルスロットルで釣り場へ向かう。
といっても、最初のポイントは航程5分の目と鼻の先。ちなみに本誌発売のころは、スタートが7時に変わっているはずだ。
船長は海面下30〜35メートルを狙うようにと指示を出した。コマセカゴに8分目程度のオキアミを詰めたあと、いったん35メートルまで沈める。
そして海面近くにある竿先を頭上までスーッと上げて誘い、1〜2秒ほど竿を止めたら、リールを1巻きしながら竿先を海面近くにまで下げる。この繰り返しで海面下30メートルまで誘い上げた。
つまりこの釣りはコマセシャクリ釣りなのだが、イシダイ狙いならではの誘いのテンポと止める間合いが腕の見せどころって感じらしい。
頭で考えながら竿を操作していると、どうしても動きがぎこちなくなる。僕にクッとアタリがあったが、バレてしまったのもぎこちない動作のせいだろう。
対照的に左ミヨシの吉田邦夫さんは初っ端から25センチ級を連釣。竿先を細かく躍らせたり、小さくシャクったり、大きくシャクってみたりと誘いのパターンを色いろと変えている。この釣りに造詣が深い吉田さんによると、
「同じパターンで誘っていると、イシダイは食わなくなってしまうんです。カワハギ釣りと少し似た感じですね」とのこと。
とはいえ、まだ初チャレの僕の場合は基本の誘いに徹したほうが賢明だと考えた。
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