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本誌発行人◉根岸 伸之
掲載号: 2012年12月1日号
同船で 中オモリ式も試す
左から大西氏、松井船長。久びさに楽しい取材でした
「今年からティップランを始めたいので、試し釣りに来ますか」
内房勝山港の萬栄丸、松井大船長からお誘いを受け、釣行したのは10月30日のことだった。
メンバーは編集長沖藤、海洋環境研究家の木村尚さん、昨年からこの釣りにハマっている三石忍さん、そして強力な助っ人として、ティップランのパイオニア、大西正人さんにも来ていただいた。
午前6時過ぎ、総勢5人でゆっくりと港を離れる。5分も走った勝山沖15メートルダチで、全員が右舷に並んで釣り開始となった。
ご存じのようにティップランアオリはどてら流しが基本。ところがこの日はほぼ無風に近く、船が流れてくれない。まずは船下に投入してみると、下げ潮に押されて道糸は少しトモ側に流れる程度だ。
そんなときは餌木を斜め前に投げ入れて、カーブフォールで釣るといいと大西さん。さっそく全員がマネをする。
船中1号は三石さん。
「イエーイ」という雄叫びとともに釣り上げたのは0.3キロ級のアオリイカ。続いては大西さんも華麗な巻きシャクリで同級をキャッチ。
船中で5杯ほど釣ったところで、今度は岩井袋沖の20メートルダチに移動。ぎこちない巻きシャクリで釣る私にも、ここで初めて穂先をたたくアタリがきた。即合わせで竿を立てると、ズシンという手応え。
巻き上げ中はまさに魚の引き。
「たぶん足1本です」という大西さんの言葉どおり、これまでよりひと回り大きい0.5キロ級の今期初アオリを、バラシ寸前の状態でタモにすくった。
ここからは入れ乗りとはいえないものの、小移動するたびに船中数杯のペースで釣れてくる。
とくに8時過ぎから竿を出し始めた松井船長はすごかった。初めてのティップランだというのにあれよあれよと釣り上げて、竿頭となる9杯。船長は何を釣らせても上手なのだった。
また、この日はティップランと中オモリ式を同船で釣るという試みも行った。木村さんが左舷で中オモリ式で釣ったところ、1時間ほどで2杯。風がなかったこともあり、オモリ10号でオマツリもなかった。でも、木村さんは、
「アタリを取って掛けるティップランのほうがおもしろい」とその後は右舷に移動。う〜ん、比べてみると、確かに……。
結局、試し釣りということで勝山沖周辺をくまなく攻め、船中5〜8杯という釣果で12時半に沖揚がりした。
1時間ほど休憩を取って、午後釣りにも乗船。三石さんと木村さんを除く3名で再び港を離れる。
「午後からは富浦沖を狙います」と松井船長。20分ほど走った20メートルダチで釣り開始となった。いくらか北東風も吹いてきて、どてら流しには好条件。すぐに掛けたのはまたも松井船長。開始早々3連発のスゴ技を見せてくれた。負けじと大西さんもトモで連発。沖藤、私も後に続き、
「いや〜ティップランは楽しい」と全員がニコニコ顔。4人とも暮れなずむまで夢中で釣りまくった。
結局、午後釣りも松井船長が9杯で竿頭、3人は7〜8杯。途中1時間ほど同舷で中オモリ式を試した私に、1キロ弱の大型。中オモリもそれなりに楽しいと思ったどっちつかずの一日でした。
Page1 同船で 中オモリ式も試す
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