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本誌編集部◉内山 高典
掲載号: 2012年11月15日号
静寂のあとに
外房大原港のLT広布号を訪れたのが10月13日。
「今日はナギがいいので深場にも行ってみましょう」と野島幸一船長。
当地では浅場で楽しめる好期が佳境を迎え、港至近のポイントで中小ダイがトップ20枚前後と高位安定の釣況が続いているが、型にもこだわる野島船長は、ここ最近攻めていない深場で大ダイの実績ポイントを探るとのことだった。
当日の午前船は10名が集まり5時に出船。1時間ほど走った太東沖の水深35メートルで合図が出た。
開始間もなく左トモで1キロ級のマダイが取り込まれ、船中では塩焼きサイズがポンポン上がっている。しばらくすると右舷でイナダが連続ヒット。魚の活性はかなり高そうだ。
その後はおよそ1時間ごとに移動があり実績のあるポイントを探っていったが、小ダイとイナダはコンスタントに釣れるものの大ダイの気配がない。
やや深くなって45メートルダチを流し始めた直後に左トモで竿が曲がった。竿をたたく鋭い突っ込みを何度も繰り返し、やがて2キロ級の美しいマダイが姿を見せ船上が色めき立った。
しかし、その後は大ダイらしきハリス切れがあったものの、後が続かず11時に沖揚がり。
ここまできたら、大ダイの顔を拝まずには帰れません!
午後船も10名が乗り込みお昼過ぎに出船。40分ほど走った大原沖35メートルダチでスタート。4号前後で楽しんでいた。
15時半ごろ50メートルダチに移動。このポイントはアタリが遠く小ダイやイナダの気配がない。
静寂が続き、日が傾き始めたころ、ジリリリッ!
と沈黙を破るドラグ音が右胴の間で鳴り響いた。数秒勢いよく疾走して止まったが、その後は巻き上げてもドラグが滑ってなかなか上がってこない。ややあってボコッと海面に浮かび上がったのは大きなマダイ。仲乗りさんがタモで取り込み、船長が飛んできて重さを計ると4.5キロ。
よ〜し、大ダイはいる!
左胴の間で竿を出すといきなりガツンときた。魚が反対舷に向かって疾走、竿を海面に突っ込み引きに耐える。これはデカイぞ!
と慎重にヤリトリしたのだが、上がってきたのは4キロ級のワラサであった。
私がワラサを釣っている間に右ミヨシで大物がヒットしたようで、カメラを持って駆け付けるとヤリトリの真っ最中。何度も強烈な突っ込みを見せる相手と手に汗握る攻防が続き、やがて白いシルエットが海中から浮かび上がると歓声があがった。
「大ダイだ!」
後検量7.7キロ。しばらくぶりに深場のポイントを探った船長の狙いが的中した。
西の空があかね色に染まり、夕マヅメのゴールデンタイムに期待したが、その後は再び沈黙が続いて17時に沖揚がりとなった。
船中釣果は午前船、午後船ともにトップ10枚以上。晩秋の大原は数、型ともに期待大です!
[広布号]野島幸一船長とおかみの芙美子さん、 優南ちゃん、大威翔くん
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