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フィッシングライター/竹川啓二
掲載号: 2012年7月15日号
見通しが甘かった!?
釣りとは全く関係ないのだが、テレビでロンドンオリンピックのメダル予想を見ていたら突然アジ釣りに行きたくなった。いやむしろ食べたくなったと言ったほうが正解なのかもしれないが、この時期脂のたっぷり乗った東京湾のアジは刺身やタタキは言うに及ばず塩焼き、フライ、空揚げなどなど、どんな料理にしてもおいしいから大好きなのである。
ちなみに私は大振りに切った刺身に大葉やショウガやネギを巻いて口いっぱいに頬張るのが大好物!
そんなわけで6月16日、ヨダレを垂らしながら出かけたのは東京湾奥浦安の岩田屋。
同宿は店構えを見ても分かるとおり浦安で「最古?(ボロ)」を誇り、気さくなおかみといつもニコニコ明るいイク姉と口数少ないけど嫁さん募集中の岩田一人船長の家族3人、プラス船長見習いの藤村君の4人で切り盛りするアットホームな船宿。もちろん私の常宿の一つである。
久方ぶりのアジ釣りだけに気合が入っていつもよりだいぶ早い到着となったが、すでに知った顔が店の前にチラホラ。雨予報を嫌ってかいつもより少ない雰囲気だが、雨が降ろうが槍が降ろうが毎週やってくる竿頭の常連ばかりだから今日の取材は心強い。
さらに出船前にお初のお客さんが飛び込んできて私たちを含め、都合8人で定刻の午前7時に河岸払いとなった。
目指すは木更津沖……あれ通り過ぎちゃったぜぃ!
当初の予定よりさらに下って第二海堡まで遠征だ。
「近場は潮が澄んでアジがいなくなっちゃったみたい。釣れたり釣れなかったりで、まだムラがあるよね」とツンデレなアジに困惑する一人船長。
それでも魚探を見ながら潮回りすると反応があったのかすぐ釣り開始の合図が出た。水深40メートルとライトアジとしては少々深めだが、すぐにみんなにアタリがあり、リールを巻く音が梅雨空に響いている。
「なんだいるじゃん」と思ったのだが、なんか竿の曲がりが弱よわしい。案の定、釣れてきたのはシロギス、イワシ、ちびカサゴにトラギス君の外道部隊。さらにムシガレイやらガンゾウやらベラやらスズメダイやらで、やらやらのオンパレードだ。
アジ苦戦の中、初物をゲットしたのは左舷のトモに陣取る「イトウちゃん」。ダッシュで画撮りに行くとすでに魚は桶の中。
「またすぐに釣れるよ」とは言うが、
「甘いぜ! その甘さ、砂糖がなければ世界で一番甘い考えだ!」と思わず心の中で叫んでしまったのだが、それがまさか的中してしまうとは……。
本日の紅一点で最近「沖女」としての風格が増してきたメグさんがジンタを上げたのみでアジはどこかへ雲隠れ。いくら梅雨空だからと言ってそら(空)ないでしょう。
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